VIVA 地球 Special

一覧

「私たちが望む未来」を創る思い リオから日本へつむぎ続けよう

写真で振り返る、リオ+20

環境省中部環境パートナーシップオフィス チーフプロデューサー
新海洋子 

1967年三重県生まれ。幼少より平和・人権運動に参加し多様なNGOに出会う。大学卒業後、財団法人名古屋YWCAに就職し、異文化理解・国際理解教育、青少年育成事業を担当。NPO法人中部リサイクル運動市民の会に移り、パートナーシップによる環境教育事業等を担当する。その後、環境教育NPO等で、ESDプログラムの開発及び実践、人材育成事業を担う。現在、環境省中部環境パートナーシップオフィスチーフプロデューサー(NPOスタッフ)。

ESD授業の実践の様子(岡崎市立新香山中学校)

未来へのキーワード「ESD」

 ESDは「持続可能な開発のための教育」と和訳されています。それは私たちが今、未来のために何をしていくべきなのかを考え、学び、実践していくことです。社会には複雑かつ多様な課題がありますが、生活者としてそれらの課題をもっと身近なものとして認識し、解決に立ち向かっていかなければ持続可能な社会の実現はありません。

 私たちEPO中部は、中部地域の「持続可能な地域社会」を実現する市民、NGO/NPO、企業、行政などによる「環境パートナーシップ」の取り組みをサポートする拠点です。2005年に活動をスタートさせ、特に「学校」と「地域」の関係に着目してESDをすすめてきました。より良い未来を作るために、学校教育が重要なのは言うまでもありません。また、地域において人と人がつながりをもって暮らすことも同様です。未来への道筋をESDの観点で捉えなおし、課題を丁寧に紐解いていく活動であり、企業、自治体、大学、NGO/NPO、そして市民の皆さんと連携を図り、新たな価値の創造や改革の行動力を育んでいます。

教員の方とのESDについての学びあい(あま市立甚目寺小学校)

理解者と実践者を増やすために

 持続可能な社会をつくる「教育」を推進する活動の中で、学校の先生と接する機会も多々あります。教員の仕事は広範にわたり、なおかつ日々時間に追われているのが現状です。ESDの観点から各校に適した環境教育のアドバイスを行うと、教員の方々はESDの理念を理解すると同時に、深く共感します。それは教育者を志し教職に就いた自らの原点にふと立ち返る瞬間であるかのようです。

 ESDは学習指導要領で重視される子どもたちの「生きる力」につながる考え方。未来をつくる力を育むためにも、学校教育へのさらなる浸透の必要性を感じています。

持続可能であることが本質

 過去に愛知万博やCOP10の開催、そして2014年にはESDの10年最終年会合が愛知県・名古屋市と岡山市で開催されます。何れも「点」ではなく、持続可能な「通過点」として未来へつないでいかなくてはなりません。そのためにもESDをより分かりやすく情報発信し、教育現場や地域社会で理解、実施できる仕組み作りが急務です。

 ある学校の先生から伺った話です。「子ども達にスリッパを脱いだらきちんと揃えることを指導します。その時に、揃えなさいと言うのではなく、何故揃える必要があるのか、を問います。それは、次に使う人が履きやすいから。その考え方がまさにESDであり、日々の行動が変化していきます」と。シンプルかつ明快な例えです。ほんの一歩先を考えることが、持続可能な未来につながっていくのだと思います。

2016 愛知環境賞

第75回 中日農業賞

地球のいのち、つないでいこう

中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ