インタビュー

グリーン連合共同代表/環境文明21共同代表 藤村 コノヱさん

環境NPOがグリーン連合に結集 社会への発信力や提言能力を強化

 環境文明21では、持続可能な社会のあるべき姿を描いてきましたが、それを実現するには、NPOをもっと強くしなければ、という思いが一貫してありました。

 そこで、2012年に、環境NPOの強化をテーマに、環境NPOが社会の一翼を担うに至らないのはなぜかについて、調査をしました。環境NPOやNPOをよく知る人からは「広がりがない」「市民性がない」といった見方が出され、インターネットを通じたアンケートでも「社会変革や、企業と違う視点からの提案を期待しているが、あまりそうした姿が見えない」「NPOの活動に参加するきっかけがない」といった声が多く寄せられました。

個々の環境NPOのがんばりには限界

 そして、調査結果を踏まえて、様々なエンパワーメント(強化)戦略を考えたのですが、検討会では、3.11以降、環境政策が後退、停滞している状況の下、一つひとつのNPOががんばっても限界があり、環境NPOがまとまって経団連に対抗できるようなグリーン連合を作ろう、という話になったのです。日頃お付き合いのあるいくつかのNPOに持ちかけたところ、「やろう」ということになりました。

 まずは、共通課題である基盤強化の一環として、助成金の総額を増やしたり、使いやすい仕組みに改善したりできないかと、試しに、助成財団に数団体でまとまって行きました。やはり、相手の対応もきちんとしていましたよ。助成金を出す側もどういうところに出せばより効果が出るかを知りたいでしょうから、定期的に情報交換していけば、うまくいくと思うんです。最初の段階では、そういうことも積極的にやっていこうと思っています。

議員、官庁、メディアとも意見交換の場を

 議員や官庁、メディアとの意見交換会にも取り組みたいですね。

 国会に環境議員と言われる人がほとんどいなくなってしまっていますが、議員との定期的な意見交換会をやりながら、将来的には環境政策全般に取り組む議員連盟を作ってほしいと考えています。私たちNPO自身が育つとともに、こうした意見交換会をしながら、全体的に社会に訴える力ももっと強くしていきたいと思います。

 去年の秋から、グリーン連合の設立に向けて準備会を開いてきましたが、話をしてみて、お互いに、活動内容を意外に知らないことが分かりました。会員間での交流会や勉強会を開いて、お互いの理解も深めたいと思っています。市民版環境白書も発行したいと考えています。環境省の環境白書とは違う視点から各分野のNPOが執筆し、小さなNPOも、それぞれの実践を紹介できるようなものを、来年度早々にも出したいと思っています。

現場を分かっているNPOの提案は重要

 環境NPOの政策提言能力の向上も取り組みたいテーマです。

 以前に、環境教育等促進法を議員立法で作ってもらいましたが、私たちが提案しても、実際には、政策は議員と役所のやり取りで決められてしまい、出てきたものに私たちが意見を言うだけで、悔しい思いをしました。

 しかし、改正法では私たちの提案が受け入れられ、政策形成への民意の反映として、市民の参画がうたわれました。環境政策という幅広い人たちにかかわる政策について、政策を生み出し、現場の声を届け、よりよいものにしていくためにNPOがかかわるのは、とても重要です。現場を知らない役人や議員だけで政策を作るのではなく、現場を分かっているNPOが提案をすれば、よりよい政策の選択肢が増えるはずです。

盛会だったグリーン連合の設立総会

地域のNPOも政策提言能力つける必要

 そして、国政だけでなく地方自治体の条例づくりにももっと市民やNPOがかかわるべきだと思っています。ふだん、木を植えたり、川をきれいにしたりという活動をしていても、活動の途中で、この土地は使えないなどという仕組みの壁にぶつかるはずです。仕組みをよりよいものにすることが、自分たちの活動の発展にもつながるし、地域をよりよくすることにもつながります。だから、ふだんは普及啓発的な活動をしているNPOでも、必要な時には政策提言をできる能力をつける必要があると思っています。グリーン連合でも勉強会などを開いて、地域で力をつけつつあるNPOの政策提言能力アップを図っていきたいと思っています。

中日新聞朝刊 平成27年6月19日付掲載

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