インタビュー

愛知県都市整備協会 愛・地球博記念公園管理事務所長 水野 悦司さん

『環境』と『交流』をテーマに市民が活動を生み出す地球市民交流センター

 愛・地球博記念公園は、万博翌年の2006年に新たな都市公園としてオープンしました。地球市民交流センターについては、理念継承エリア検討委員会で3年にわたって検討を続け、『交流』と『環境』をテーマに博覧会の理念と成果を継承・発展させる核となる施設として、愛・地球博5周年の2010年10月に開催された生物多様性条約第十回締約国会議(COP10)に合わせてオープンしました。

落ちた帽子(鍋)をのぞき込むスノーマン

パートナー団体がプログラムを実施

 地球市民交流センターでは、太陽光や風力発電、空気の流れを活かした自然換気、屋上・壁面緑化、ドライミスト(霧散布)など、自然エネルギーを活用し、環境負荷を低減する様々な技術に触れていただけます。また、階下の池に落ちてしまった帽子をのぞき込むスノーマンや、25倍に拡大したクローバーを配置した空間など、国内外のアーティストによるアートも楽しめます。

 体験学習室、多目的室、屋内広場などでは、学校、団体、一般来場者の方々が参加できるプログラムを、パートナー登録した団体が実施しています。パートナーには施設の利用料金が無料となる特典があり、学校、企業、NPO、個人など合わせて171団体が登録されています。幼児や高齢の方の利用が主となる平日は、まだかなり空きがあり、プログラムの充実などで、もっと利用してもらえるようにしたいですね。

 愛・地球博の開幕、閉幕の時期に合わせたモリコロパーク春まつり、秋まつりには、大勢の家族連れにご来場いただいています。自然素材を使ったクラフト教室や、自然体験プログラムが人気で、海外の料理や民族衣装の試着、民族楽器の演奏などで、博覧会当時を思い出していただいたりもしています。

近隣大学によるリニモ沿線合同大学祭

近隣大学でリニモ沿線合同大学祭

 若い人にも利用してもらおうと、近隣の大学によるリニモ沿線合同大学祭も開催してきました。また、愛知県立大学とは、地域連携、公園の活性化、教育研究などの包括連携協定を結びました。そのなかで、愛・地球博十周年記念イベントの一つとして夏休み期間中に留学生による文化紹介プログラムを企画しているところです。

 万博を知らない世代の小中学生に、万博を契機に生まれた環境、多文化共生などの盛り上がりを継承することや、地球市民交流センターがオープンした際の地球市民交流宣言にうたわれている世界に交流の輪を広げていくことなども、これからの課題です。

公園マネジメント会議のメンバーによるワークショップ

全国都市緑化あいちフェアに向け準備

 市民目線での公園の管理・運営を目指して、NPO、企業、大学、自治体など86団体による公園マネジメント会議が定期的に会合を開いており、海外の文化との交流を含めて、いろんなアイディアが生まれています。9月に開催される全国都市緑化あいちフェアでは▽愛・地球博の思い出▽理念を継承して行われている活動▽未来に向けての担い手づくり― の3部作の展示をします。マネジメント会議全体でプログラムに取り組むのは初めてで、準備を通じて交流が深まり、新しいアイディアが生まれてくることも期待しています。

 今後、公園内のあいちサトラボでの里山づくりやデイキャンプ場の整備などによって、公園全体の魅力が増していく中で、拠点としての地球市民交流センターの役割も増していくでしょう。この公園は、市民の皆さんに育てていってもらう公園です。焦らず、着実に充実させていきたいですね。

中日新聞朝刊 平成27年5月22日付掲載

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