インタビュー

メイド・イン・アース/株式会社チーム・オースリー代表取締役 前田 剛さん

 柔らかな気持ちのいい製品でオーガニックコットン広げる

 オーガニックコットンのブランド「メイド・イン・アース」を立ち上げて、今年で20年になります。今の会社は、もともと広告会社でした。たまたま、日本にオーガニックコットンを広める活動を始めたばかりの団体の代表に話を聞く機会があり、自然素材の代表だと思っていた純白のコットンが、農薬漬けのうえに、製造工程でも蛍光増白剤などいろいろな薬剤が使われていることを知って衝撃を受けました。しかも、合成洗剤で洗うとより一層油分が抜けてしまうため、コットン本来の柔らかさがなくなり、柔軟剤を使わざるを得ないというのです。

自分たちの手でブランドづくり

 農薬を使わないオーガニックコットンはすごいと思い、広めるための企画づくりを始めました。その中で生まれたのが、メイド・イン・アースです。小売店や百貨店に企画を持っていこうと思いましたが、ブランド名やコンセプトに愛情がわきすぎて、1995年7月に自分たちでブランドをスタートさせました。私は広告の仕事を何年か続け、同じ月に結婚した妻で、現・ブランドマネージャーの前田けいこたちが、営業や商品企画を担当しました。当初は、お店さんに営業で行っても、コットンが農作物であることの認識が薄く、「コットンが無農薬とは?」と言われることもありました。「口に入れないのに、なぜ無農薬のものが必要なの」と。

風合いや柔らかさにこだわり製品づくり

 それでも、風合いや柔らかな肌ざわりを大切にした製品づくりに努めました。気持ちいいと感じてもらい、環境問題に興味がない人にも知ってもらおうと思ったのです。柔らかさが失われないよう、コットンの油分を残す液体石けん洗剤の販売も始めました。ベビー用品にも力を入れ、売上もじわじわと伸びてきました。

地雷除去跡地の畑で働く地雷被害者やその家族たちと

カンボジアの地雷原を綿畑にする活動に協力

 オーガニックコットンを広めることが社会への貢献だと思いながらも、もっと社会貢献したいと思い始めていたころ、「カンボジアの地雷原を綿畑に」という活動をしている団体(現・NPO法人Nature Saves Cambodia-Japan(NSCJ))に出会いました。

 内戦のあったカンボジアには、今でも何百万発もの地雷が残っています。その地雷を除去して綿畑にして、地雷被害者の仕事を生み出すという活動に共感し、製品企画や販売のお手伝いを始めました。

 支援や協力という思いで最初はスタートしましたが、今では品質やデザインの良さで買ってほしいという思いが強く、その思いは、私たちだけでなく、地雷被害者や糸を紡ぐおばあちゃんたちも同じで、今はビジネスパートナーだと思っています。技術指導もしながら、とてもいい関係を築いていますが、ショールなど多様な使い方ができる万能布「クロマー」を、しっかり売ることが今の課題です。

熊本県で、在来種の日本綿の栽培始める

 地雷被害者の中には手足を失ったことで、仕事につくことができず、生きる希望を失いつつある人がたくさんいます。今は、原綿の輸入も増やして、仕事を生み出し、地雷被害者が笑顔の生活を送れるようにしたいと思っています。

 去年からは、熊本県菊池市で、障がい者の就労支援事業をしている団体と、綿づくりを始めました。ここで栽培しているのは、農薬も有機肥料もいらない栽培しやすい「日本の在来種綿」です。この綿を使った製品づくりも構想中です。また、震災前から取り組んでいたグリーン電力証書を震災後、さらに本格的に導入し、今ではオフィス、ショップ、製造元の工場のすべての電力を、バイオマスなどの再生可能エネルギーでまかなう形にしています。

メイド・イン・アース自由が丘店。木の温もりが溢れる優しい店内

布ナプキンを使って不快感がなくなった

 メイド・イン・アースの根底には、女性と子どもたちにやさしい社会をという思いが流れています。布ナプキンは売上の三割ほどを占めていますが、これを使うようになって、石油系の使い捨て製品で感じていた不快感がなくなったという人も多いですよ。愛用している女性が、友だちに勧めてくれたり、口コミでも広まってきています。

 小中学校で布ナプキンの無料配布の活動も始めており、子どものころから使い始めて体の大切さを感じてもらえたらと思ってます。

 名古屋駅のジェイアール名古屋タカシマヤで3月2日まで開催しているナチュラルビューティースタイル展で、メイド・イン・アースのオーガニックコットン製品も販売しています。ぜひ手に取って、コットンの柔らかさを感じてもらえたらうれしいですね。

中日新聞朝刊 平成27年2月28日付掲載

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