インタビュー

ZIP-FMミュージック・ナビゲーター 磯谷 祐介さん、IRENEさん

コミュニケーションは楽しいこと 本音で話せるようサポートしたい

 11月10日から12日まで愛知・名古屋で開かれた、持続可能な開発のための教育(ESD)に関するユネスコ世界会議。

 あいち・なごやESD交流フェスタで司会を務めたZIP-FMミュージック・ナビゲーターの磯谷祐介さんとIRENEさんに、ESDを分かりやすく伝えることなどについて会議直前にお話を伺いました。

IRENE  ESDのことを知ったのは1年前のキックオフイベントの時からですが、私たちがもともとやってきていたことを続けることがESDになるんだなって感じでした。私はお祭りが好きで、好きなお祭りがなくなると聞いて、留学していたパリの学校をやめて見に来たくらいです。今思えば、そこから私なりのESDの活動が始まっていたと思います。愛知県東栄町の花祭も10年近く前から好きで、過疎で人手不足の祭りをみんなに知っていただくためのお手伝いをさせていただくようになりました。

小学生でも遠慮 すごくもったいない

磯谷
 僕は、教育を学んでいたこともあって、ラジオのDJを始めると同時に愛知県内の学校に社会人講師として行くようになりました。最初は仕事の話を中心に話していましたが、最終的に多くなったのは、就職での面接やコミュニケーションの方法でした。こういう仕事をしているので、伝えることで彼らのサポートができるのではと、先生と一緒にプログラムもつくりました。
 そこで思ったのは、本当は伝えたいことがあるのに、みんな遠慮しているということです。小学生でも遠慮しちゃうからすごくもったいない。僕らは、大人になるにしたがって、伝えることに臆病になっていき、気づいた時には本音を押し殺すようになっています。せめて伝えることが楽しくなるような空間づくりがしたいと思い、「間違ったことを言っていいんだよ。周りをうかがって模範的な解答をする必要はないんだよ」と伝えました。

ESDに近いのは恋愛かなって思う

IRENE  ESDの基盤となる精神としては、そういうところが大事ですよね。私も同じコンセプトの活動を英語のグループでやっています。ディスカッションやプレゼンを通じて自分の中にあるものを見ることで、間違えるのが怖い生徒から、怖さを取り除いていこうとしています。
磯谷  そういうアプローチは今、日本人に必要ですね。
IRENE  人と話すのが楽しくなったという人がいっぱいいます。
磯谷  人とコミュニケーションをするのは、本来楽しいことのはずですよね。
IRENE  私、最近、ESDに一番近いのは恋愛かなって思うんです。好きな人のことは理解したいと思うし、うまくいくために合わせたり、歩み寄ったりするじゃないですか。自分はこうだから変えられない、と言ったら終わりです。いかにお互いをよく知って前に進むかがESDだよなって。
磯谷  相手を否定せずに受け入れるだけでいいと思うんですよ。話しているとすぐに「でも」って言う人がいるけれど、「ふうん」って言えば、まずは受け入れましたよ、ということになります。それだけで人の輪は広がっていくと思います。

好きなものをみんなが一つずつ守ったら…

IRENE  ESDを分かりやすく説明するのは難しいですが、ESDの半年前イベントで、ESDのことを「みんなうなぎ食べたいでしょ。でも食べられなくなるかもしれないよね」「じゃあ、これからも食べられるようにするにはどうしたらいいかな?」と説明するのを聞いて、「そうか!」と思いました。みんなが一つずつ自分の好きなものを守るためにどうしようと考えて、それが活動につながれば、いろんな問題がきっと解決できますよね。
磯谷  8日から始まるあいち・なごやESD交流フェスタで僕らは司会を務めますが、僕らの役割は、通訳みたいなもので、一般の方がESDのことを「あっ、なるほどそういうことか」と分かるように、ESDのエッセンスをかみくだいて分かりやすく伝えることだと思っています。

中日新聞朝刊 平成26年11月8日付掲載

磯谷 祐介(いそがい ゆうすけ)
 1984年、愛知県生まれ。名古屋大学教育学部卒。2005年にはカナダ・トロントに滞在。学生時代のアカペラ、演劇、MC、イベント企画等の経験を活かしてラジオの世界へ。2008年、第15回ZIP-FMミュージック・ナビゲーター・コンテストで準グランプリを受賞。2009年4月からZIP-FMミュージック・ナビゲーター。様々なボランティアや社会活動にも積極的に参加し、学校などで講師としても活動している。献血推進リーダーとして、献血の啓発活動も行っている。

IRENE(イレーネ)
 愛知県でドイツ人の父と日本人の母の間に生まれる。2005年ロンドン大学ロイヤルホロウェイ校演劇部卒。パリで更なるトレーニングを積むが、大学在学中から始めた地域郷土芸能における仮面祭りの研究を進めるため2007年に帰国。日英独仏の4ヵ国語を生かした活動の傍ら、郷土芸能の研究・保護に努め、趣味も兼ねて日本各地の祭りを訪ねている。また英語講師としての実績も10年近くあり、2009年にはケンブリッジ大学公認の講師資格CELTAを取得。

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