インタビュー

フェアトレード名古屋ネットワーク副代表 原田 さとみさん

地域と世界、今と未来をつなげる「地球とのフェアトレード」推進

 途上国の人たちの労働環境や環境問題などに配慮したフェアトレード(公正な貿易)をまちぐるみで推進しようというフェアトレードタウン運動を名古屋で進めています。現在世界には1500もの市町村がタウン認定されていますが、アジア・日本ではまだ熊本市だけです。フェアトレード産品を買える店の数など、世界の5つの基準に日本は「地域活性化への貢献」という6つ目の独自の基準を加え、名古屋は、そのうちの5つはクリアし、あと一歩。

自然のものを持続可能な形で継承

 昨年1月に、タウンを目指すため、名古屋でフェアトレードに長く取り組んできた4つの市民団体が1つになり、地域の市民や学校、企業、NPO/NGO、行政などに広く参加を呼びかけて、フェアトレード名古屋ネットワークFTNN(代表:土井ゆきこ)を立ち上げました。ネットワークには、海外とのフェアトレードを主な活動とするお店・団体・企業だけでなく、安全な食やエコ雑貨などを扱う団体、育児や教育、まちづくりの団体も入っています。そこから生まれたキャッチフレーズが、「地球とのフェアトレード」。

 「途上国との公正な貿易」から「地域が世界と公正につながる」へとより深く広くなった理念の下、私たちの身近な足元の暮らしを見つめ直すことで、地域の課題も浮き彫りになります。そして、日々享受している自然の恵みの源である水や土や空気や、地球上にある多様な自然を持続可能な形で継承するために、フェアに地球とやりとりしましょうというのが、「地球とのフェアトレード」です。

 途上国との貿易だけでなく、地域や自然とのフェアなトレードもとても大事だということがフェアトレードタウンを目指す中で、見えてきました。

途上国の姿の中に都会の未来がある

 貨幣経済の中で先進国は、最先端の技術と人材で途上国にしっかりと寄り添い支援をしてほしい。ですが、JICA中部オフィシャルサポーターとして途上国に行かせていただき感じることは、私たちは途上国からこそ学ぶべきであるということ。私たちが失いつつある大切なことをいつもいっぱい教わります。途上国の姿の中に、名古屋のような都会の未来、先進国の未来のヒントがあると感じています。

 今年3月に日本でのフェアトレードタウン第一号の熊本市で、フェアトレード国際会議が開催されました。テーマは「ビッグ・テント・アプローチ」。多様なフェアトレードのあり方を包み込む「大きなテント」方式を取るということ。大きなテントの中には、地球の未来の平和を願う様々な方面で活動する団体や組織がネットワークし、少しずつでもフェアトレードを取り入れ、多様性を包括し手をつなぎ、相乗効果をもたらすことを言い表しています。

毎月第1日曜日に名古屋テレビ塔前にて開催のツキイチマルシェ

ツキイチマルシェで地域の仲間を増やす

 フェアトレード名古屋ネットワークがテレビ塔前で毎月開催しているフェアトレード・ツキイチ・マルシェでも、地域の仲間を増やしていこうとしています。広く裾野を広げて、みんなでつながって未来をつくっていくために「地球とのフェアトレード」を進めるというのは、まさにESD(持続可能な開発のための教育)の目指していることだと思います。

中日新聞朝刊 平成26年10月10日付掲載

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