インタビュー

NPO法人セカンドハーベスト名古屋事務局長 本岡 俊郎さん

環境も人も助かるフードバンク 企業と連携し地域に寄り添う

 食品メーカーや流通企業などでは、製造の工程で包装の傷みなどが発生し規格外になったり、賞味期限間近になったりして、品質に問題がないにも関わらず市場で流通できない食品が発生してしまいます。これまで廃棄されていたその食品を企業から無償で譲り受け、生活困窮者や福祉施設などへ無料で提供する活動をフードバンクといいます。私たちセカンドハーベスト名古屋は、東海三県と静岡県で活動しています。

月・水・木曜日に野菜などを中心に配布

東海地方六ヶ所に拠点置き食品配布

 フードバンクは欧米などで活発に展開されていますが、日本では2000年から始まりました。セカンドハーベスト名古屋は2008年から活動を始めています。名古屋事務所のほかにも静岡県の浜松市、三島市、岐阜県大垣市、三重県津市、愛知県常滑市に拠点を置き、2013年は、配布した食品はおおよそ520トン、金額に換算すると約三億一千万円に達します。提供企業は食品メーカー、卸売業者、スーパー、レストランなど70ほどに上ります。最近では、製造業の工場からも、災害用に備蓄している食品を更新時に提供してもらえるようになりました。農家からの提供もあります。それらを生活困窮者やホームレスなどを支援する200以上の施設や団体に配布しています。

食品配布がきっかけで広がる支援活動

 東海地方は、ブラジル、フィリピンなどからの外国人労働者が他の地域よりも際立って多く、リーマンショック後は賃金が下がったり、仕事が無くなったりして厳しい状況に置かれてきました。このような事情もあり、この地域で配布する食品の半分以上は外国人支援に充てられています。

 食品を提供した人を中心に外国人の実態調査も行いました。食べ物を提供するだけでは、問題を解決できないことに気がつき、週2回、ポルトガル語とスペイン語での電話相談を去年の夏から行っています。電話だけで済まない場合は、地域の支援グループに訪問してもらっています。

地域社会を支えるセーフティーネットを

 地域のつながりが希薄になっている今、収入も少なく、体の自由もきかない、一人暮らしのお年寄りが、急速に増えつつあります。そのようなお年寄りがすこしでも元気で暮らせるように、フードバンクで寄り添うことができるのではと考えています。そのほかにも、突然の失職や病気で緊急に食べ物を必要とする場合に備えるために、地域社会を支える民間主導の「食」のセーフティーネットを将来的には創りたいと思っています。

 企業から出る食品廃棄物は年間300万〜500万トンと言われています。フードバンクで使う量は、全国合わせても0.1%くらいの約3000トンにとどまっています。今は私達が捌ける量には限界がありますが、物流や資金体制を整備していけば近い将来全国で1万トン規模を扱うようになると予測しています。

中日新聞朝刊 平成26年1月17日付掲載

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