インタビュー

田原市市民環境部エコエネ推進課副主幹杉浦 清明さん

 長い日照時間 強い風生かして たはらエコ・ガーデンシティ

 田原市では1980年代からごみの資源化をはじめ、豊富な日射量と半島性の強風を活かした風力発電、太陽光発電の導入など先進的な取組みを積極的に進めてきました。

 2003年にはこれらの取組みをまとめた「たはらエコ・ガーデンシティ構想」が国の環境共生まちづくりのモデルとして選定され、近年サスティナブルシティとしての評価を受け、多くの視察見学者が本市を訪れています。

菜の花を栽培し遊休農地を復元

 本市は、農業と工業の盛んな産業都市として発展し、主幹産業である農業は、農業産出額が多く全国トップクラスとなっています。

 しかしながら耕作放棄地は年々増加し、遊休農地の解消が大きな課題となっていました。

 そのため、遊休農地に菜の花を栽培して土壌改良を行い健全な農地を担い手農家に引き渡すことを根幹に、資源循環型社会を目指す菜の花エコプロジェクトを始めて、今年で10年を迎えようとしています。

 「家庭用廃食用油の回収」「公用車に軽油の代替としてBDFを利用」「食用菜種油の特産品販売」「日本風景街道菜の花浪漫街道」などNPO法人、市民、行政、事業者が連携して推進してまいりました。

 企業のCSR活動による菜の花栽培なども進められ、幅広い活動となりました。食・農・環境教育では、小学生を中心に食を通して命の尊さ、循環の仕組みなどを実践で学んでいます。

 現在、約25haの菜の花畑は、菜の花まつりになると多くの観光客が渥美半島を訪れ、観光資源の役割も果たしています。

田原臨海部80haにメガソーラー立地

 自動車製造業などの企業が集積する田原臨海部には、2000kW級の大型風力発電13基が稼動。国内でも有数の発電効率の高いウインドファームで、今後更に6基の建設を予定しています。

 臨海部以外の大型風力発電施設は2箇所あり、風力発電による市内全域の総発電量は3万世帯相当分の消費電力を賄うことができます。

 一方、太陽光発電事業は、臨海部未利用地において国内最大規模のメガソーラー(50MW)の工事が着手し、平成26年秋頃竣工の予定です。

 住宅用は平成11年度から支援制度を設け、国内でも持ち家世帯の設置率が高く、現在約4200kWの設置となっています。東日本大震災後、非常電源として市民の関心も高まり一層の推進を図ってまいります。

モデル温室で電照菊栽培研究

 農業産出額の約5割は温室栽培などの花卉類で、エネルギー消費量の抑制が課題となっています。菊の栽培も全国第1位ですが、重油の高騰など栽培環境は厳しく、農業振興の面から安定的なエネルギー確保が必要です。

 昨年、実証用の低炭素モデル温室が完成しました。太陽光発電、LED、農業用ヒートポンプを取り入れ、複層被覆フィルムによる高断熱構造のハウスで電照菊の栽培研究を進めており、今後一般農家への導入が課題となっています。

 以上、主要プロジェクトの一部を紹介しました。地球規模の課題である地球温暖化対策や地域の環境課題などに対処し、今後も地域資源を有効に活用して各プロジェクトを推進し、地域の活性化を図り、環境と共生する豊かで持続する地域を次の世代まで引き継いでまいりたいと思います。

中日新聞朝刊 平成24年11月20日付掲載

環境戦隊たはらエコレンジャー

 新エネレンジャー、省エネレンジャーなど5人の戦士で構成される環境戦隊たはらエコレンジャー。2005年のデビュー以来、たはらエコフェスタや田原市民まつりなどさまざまなイベントに出動し、市民と力をあわせて田原市の環境を守るため大活躍。

 子供たちの人気も高く、たはらエコ・ガーデンシティ構想の推進役としての期待も大きい。

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