インタビュー

アーティスト/元COP10名誉大使 MISIAさん

一緒に考えよう 地球のこと、未来のこと

 2年前に開催されたCOP10に続き、2014年11月には「持続発展教育(ESD)に関するユネスコ世界会議」が愛知・名古屋で開催されます。私たちのすむ美しい地球を未来の子どもたちに残していくため、自然のこと、世界のこと、私たちの暮らしをもう一度見つめなおし、みんなで一緒に考えていきましょう。

 子ども時代を長崎県のとても自然が豊かな島で過ごしたので、自然と触れ合った思い出は数えきれません。住んでいたところが山の上で、学校はとなりの山の上でしたから、通学しながら当たり前のように自然の中で遊んでいました。

自然あってこその私たちの生活

 暑い日でも森に入れば涼しい場所があること。寒い日でも太陽が出ていて、風をさえぎれる場所で太陽の熱を吸収する岩場などがあれば、そこはほんのりと暖かだったこと。学校の行き帰りには、友達とカブトムシやクワガタやてんとう虫を、ブローチのように体にとまらせたこと。飛んで行く時に音がすること。朝、山からまるで煙が立ち上っているように見えた霧の発生。夜は空を見上げて、次の日のお天気を見たこと。春には森で野イチゴを摘んで食べたこと。山菜を採ったりしたこと、秋には栗を拾ったこと、魚を釣って食べたこと。

 自然の恵みを肌で感じる日々でした。その中で当たり前に、自然があってこそ私たちの生活があるのだと、学んできたように思います。

自然に触れるMISIAの森を生物多様性への理解深める場に

 COP10名誉大使に任命されてから生物多様性の普及啓発を目的としたキャンペーンに取り組んできました。2011年から始めているMISIAの森というプロジェクトでは石川県の森林公園で、森林保全活動の他、子どもたちによる生きもの調査や、賛同するアーティストによるアートプロジェクトなどを実施しています。横浜でも、三浦半島まで延びる豊かな森の魅力を発信していく予定で、現在はラジオ番組で自然からのGIFTを感じられる曲の紹介や、横浜の森の情報などを紹介しています。自然に触れ、自然を通して感じるものが、何よりも生物多様性への理解を深めると思うのです。MISIAの森では、そんなきっかけの「場」を提供しています。

 また、生物多様性検定という取り組みは、身の回りのことからクイズを作り、生物多様性についてもっと知り、関心を持ってもらうきっかけになればと始めたものです。今後はご当地検定など、地方色にも配慮した問題も発信したいと思います。特設サイトでも問題を見られるので、ぜひチェックしてみてください。

生き物の多様性は音の多様性

 自然は音楽にも影響を与えていると思います。例えば楽器には様々な植物など自然からの恵みで作られているものが多くあります。生き物の多様性は、そのまま音の多様性でもあります。自然の中にいると、風の音、鳥の声、虫の鳴き声や川のせせらぎなど、様々な音楽があることに気づかされます。歌詞の中にも、自然から感じたものが出てきたりします。

 私たちは生物多様性の中で生きています。その生物多様性が危機に直面していると言われる今、ぜひ生物多様性のことを知り、考え、行動を起こしてください。例えば生物多様性に配慮した商品を購入するなど、私たちができることはたくさんあります。環境のこと、引き続き考えていきましょう。

中日新聞朝刊 平成24年10月20日付掲載

一覧に戻る

2016 愛知環境賞

第75回 中日農業賞

地球のいのち、つないでいこう

中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ