インタビュー

ソーシャルビジネス・ネットワーク専務理事 町野 弘明さん

新しい未来・豊かさを見始めている 日本人の声をリオ+20で発信したい

 20年前の地球サミット( 国連環境開発会議)で、人類は持続可能な発展を目指す壮大なプロジェクトを始めました。その実現はまだ遠い夢の話ですが、市民は大きなパワーを持ちつつあります。われわれは、企業がつくった製品を一方的に受け入れるだけでなく、ライフスタイル、人生をつくっていける側にいるということが分かったのです。たった4週間で国家を転覆させるほどの力を持つ情報ツールも手に入れました。

対ブラウンではなくグリーン対グリーン

 来月ブラジルのリオデジャネイロで開催されるリオ+20(国連持続可能な開発会議)では、グリーンエコノミーがテーマになっています。これは、石油などの化石燃料によるブラウンエコノミーに対するものと一般的にはとらえられています。しかし、市民サイドには、グローバル企業が石油などでもうけた手法を使って生態系でもうけようというグリーンエコノミーと、小規模農家や先住民などを大切にするグリーンエコノミーという、グリーン対グリーンの対立が本質だと考える人々もいます。

 消費者がグリーンエコノミーの中身をしっかりと見て、きちんとした選択をすることが重要になってくるのです。

3・11での原体験を基にしたメッセージ

 市民の役割という意味では、3・11を経験した日本は大切な役割を担っています。原発、エネルギー、つながりの希薄化、国内の貧困などいろんな矛盾があった中で震災が起こり、人々は矛盾に改めて気づかされました。そういう原体験を基にわれわれが新しく描いていく未来は、世界全体にとっても意味があります。

 中国、インド、ブラジルをはじめとする国々は、われわれが歩んできた道のりを全速力で追いかけています。年間3万人以上の自殺に象徴されるように、豊かにはなったけれど幸せではないという今の社会とは違う、新しい未来、新しい豊かさをわれわれは見始めている、というのが、そうした国々にわれわれが伝えるべきメッセージだと思います。

復興でがんばる若手リーダーもスピーチ

 地球サミット2012Japanは、そのために昨年から全国各地でのダイアログ( 対話)、WEBサイト、被災者の方たちなどへのインタビューによって様々な声を集めてきました。リオ+20の会期中、これらの声を収めた映像や電子書籍などを紹介するほか、復興の最前線に立ってがんばっている若手リーダーらにもスピーチをしてもらうつもりです。

 ネットで現地の模様をリアルタイムで流し、日本でもダイアログを行うことで、地球の裏側で起こっていることを自分ごととして感じてもらいたいとも思っています。WEBではまだ声を集めていますので、COP10(生物多様性条約第10回締約国会議)の開催地として、中部地方の皆さんからもどんどん発信していってもらいたいですね。

中日新聞朝刊 平成24年5月31日付掲載

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