インタビュー

MODECO代表 水野 浩行さん

捨てられるものに命を 廃材利用エシカルブランド

 今の事業を立ち上げる前に、工場、倉庫、産廃処分場などで、すさまじい量の廃材を見るきっかけがあり、「もったいない」という気持ちを強く抱きました。廃材が生まれる理由は様々ですが、そのことを知らせるとともに、減量に役立つこともしなくてはと思いました。2010年初めにMODECOを立ち上げ、業種業態を問わずありとあらゆる廃材でいろんなものを作っていく中で特にニーズが強かったレディースバッグに焦点を絞っていきました。素材の強度、耐久性、デザインなどの問題は、デザイナーと職人が一緒に、一つずつ解決していきました。

廃材になったシートベルトで作られたバッグ

自分で試してみて素材の性質を確認

 皮とは性質が違う素材のことを知りつくそうと、30分、1時間と水につけたり、湿気の強いところに放置したりと、理科の実験のようなこともしました。メーカーに聞けば分かりますが、今まで使われていなかった素材を使うために、責任を持って自分の目で確認したかったのです。

 昨年夏からは、フローリング、シートベルト、タイヤチューブ、カーテンなどを使ったオリジナルバッグを順次発売してきました。最初は「おもしろい発想ね」というのが大須の店に来てくださるお客さんの反応でしたが、最近は社会的な必要性を感じてくださるお客さんが増えてきています。

職人の技が生きる一期一会のデザイン

 これからも「もったいない」「捨てられる素材に命を」をテーマにしたコレクションを打ち出していく予定です。MODECOの製品は、環境負荷が上がったり質が下がったりするリサイクルではなく、廃材をまったく違う付加価値を持つバッグなどに変えるという意味で、アップサイクルという言い方をしています。

 廃材自体がその時々で移り変わっていく素材であることが魅力で、一期一会のデザインを目指していきたいと思っています。ずっと開発が続く、職人の技が生きる世界ですね。開発する側も売る側もあきないと思いますよ。常にオリジナルですから。

 素材選びでこだわっているのは「選ばないこと」です。様々なメーカーから相談を受けますが、「来たものは活かしたい」「可能性を追求したい」と思っています。

日本の道徳観を表現するブランドに

 いろんなものに感謝し、他に配慮していく生活というのは日本人らしく、それが「もったいない」につながっていると思いますし、世界ではそういうものが求められていると感じます。その意味で、エシカルブランドを日本人が発信すべきだと思うんです。僕としては、MODECOを日本の風土の中で培ってきた道徳観を表現するエシカルブランドとして確立し、世界に向けて発信していきたいと思っています。

中日新聞朝刊 平成24年2月27日付掲載

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