インタビュー

市原ぞうの国代表取締役園長 坂本 小百合さん

動物と人間の触れ合い ともに元気になる動物園

 「市原ぞうの国」は、動物プロダクションから始まったんです。

 千葉県東金市に飼育場があったころ、たまにしか出演がない動物は元気が出ませんでした。その子たちに生きがいを与えたいと思い、お客さんがえさをあげられるようにしてみました。そうしたら、たくさんの人が押しかけてきたんです。ちょうどその時期に、映画「子象物語」に出演するゾウ2頭をタイから輸入したこともあり、自然の中で飼育できる場所をと考えて、千葉県市原市の今の土地に移り、1989年に動物ファームをオープンさせました。

園内を歩くゾウにお客さんは大満足

 動物はお客さんからえさをもらうことで元気になっています。園内で売るえさに限って、ちゃんと管理していれば、健康を害することはありません。お客さんも8割はリピーターで、毎週来る人もたくさんいます。

 同じ大地に暮らす動物は、同じ大地で大きさを比較でき、なるべく近くで臭いを感じられることが大事だと思います。「ぞうさんショー」では、ゾウがショーの会場まで園内を歩きます。お客さんはそれだけで十分で、曲芸なんかよりこれが好きという人も多いですよ。

ぞうさんショーで絵を描くゆめ花

国内最多の9頭 ゆめ花はお絵描き

 市原ぞうの国では、アジアゾウ8頭とアフリカゾウ1頭の計9頭のゾウを飼っています。日本では最多ですし、世界中の動物園を探してもおそらくないと思います。サーカスや動物園などからいろいろなゾウを引き取ったりして、これまで20頭以上のゾウとかかわってきました。そんな中、2007年にゆめ花が生まれました。アジアゾウの出産成功例は国内2例目で、母ゾウによる子育ては初めてです。

 ゆめ花は、花などの絵を鼻でうまく描きます。絵は教えましたが、ずっとショーで見ているので、サッカーでもなんでも真似してやるんです。ゾウの絆は強く、東日本大震災の際は、ショーの最中でしたが、ゆめ花を5頭のゾウが囲んで守っていました。

自由に歩き回るゾウ 一緒に散歩する人も

 インドやスリランカなどでは、木が伐採され畑にされ、えさがなくなり、アジアゾウの生息地はどんどん減少しています。これからは、動物園の動物は、動物園で繁殖していけるようにするのがベストだと思います。

 千葉県勝浦市には、タイやインドの故郷を思い出させるような13ヘクタールの広大な山野を自由に歩き回り、木の枝を折って食べたり、好きなだけ水浴びをしたりできる「勝浦ぞうの楽園」があります。今は、市原ぞうの国のゾウを交代で連れて行っています。ゾウと一緒に散歩するために、その時に合わせて足を運ぶ熱心な人もいます。この場所を、ゾウが自然の中でリラックスして過ごし繁殖するセンターにしていけたらと思っています。

中日新聞朝刊 平成23年7月25日付掲載

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