中部の環境を考える

かがやけ☆あいちサスティナ研究所 JAグループ愛知

農業を若者につなげて耕作放棄地減らしたい

愛知県農業協同組合中央会の都築さん(後列右から2人目)、山口さん(同右端)と、研究員の4人とファシリテーターの吉野隆子さん(前列左端)

 高齢化に伴う農業の担い手不足などが原因で、愛知県でも耕作放棄地は耕地の一割以上に達している。愛知県農業協同組合中央会総務企画部の山口豊喜さんは「荒れた農地を元に戻すのは難しく、農業生産基盤の喪失は最大の問題です」という。

 県下のJAなどからなるJAグループ愛知は、新規就農者のための農業塾の開催や、やる気のある農家に農地を集める農地の賃貸借の仲介などに取り組んできたが、農地の減少に歯止めはかからない。同会常務の都築紀理さんは「農家だけでなく、地域全体でよくなっていこうという発想が必要」と指摘する。

農地活用のパンフ配布

 若い人たちの農業への関心は高まっており、これまでと違う発想で若い人たちにも届く発信ができたらという思いも込めて、今年度のサスティナ研の課題は「耕作放棄地の問題を解消する農業と環境が調和する方策の検討」とした。

 研究員たちは、県内の耕作放棄地を訪れ、農家やJAの職員からも話を聞き、解決策の検討を深めた。そして、耕作放棄を未然に防ぐ方策として、相続時にその土地にいない又は農業ができない相続人に農地活用について考えてもらうパンフを作成し、相続時に配布してもらうことを提案した。

耕作放棄地を訪れてJA職員から話を聞く研究員たち

地域・人づくりが大切

 さらに、農業を次世代につなげていくためには地域・人づくりが大切との考えから、地域の農業を主体的に盛り上げるリーダーを育成するセミナーの開催や、耕作放棄地になりそうな農地で地域の高齢者、ボランティア、若者が一緒に米や野菜を育て、料理をし、食べる「おじいちゃん・おばあちゃん食堂」も提案した。

研究員の振り返り

 リーダーの伊藤奈央人さん(愛知淑徳大)は「地域のコミュニティ再生に役立てたらいい」、濱村葉月さん(名古屋大大学院)も「パンフが役立ったらうれしい」と期待する。寺田彩人さん(南山大)は「一人ひとりが意識を持って取り組むことが大切だと感じた」といい、花村映理子さん(日本福祉大)は「おじいさん、おばあさんを支えないと農地を守れないことを知った」と、それぞれの学びを振り返る。

中日新聞朝刊 平成29年12月23日付掲載

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