中部の環境を考える

かがやけ☆あいちサスティナ研究所 成果発表会

総集編

 パートナー企業の環境課題の解決策を大学生研究員のチームが提案する、かがやけ☆あいちサスティナ研究所。2年目の2016年度はパートナー企業10社が参加し、40名の学生たちが約5ヵ月にわたって課題に取り組んだ。11月23日に名古屋市千種区の愛知淑徳大で開催された成果発表会では、学生らしい新鮮な視点が企業から高く評価された。また、来場者の投票により最も多くの支持を集めたチーム・東邦ガスが最優秀賞に選ばれた。持続可能な地域づくりを担う人材育成を目指して始まったプロジェクトは、着実に成果を上げつつある。最終回の今回は学生からの提案を総集編としてお届けする。

パートナー企業/アイシン精機株式会社

課題 自動車部品製造業としての環境取り組みPR
学生からの提案 大学生が指導し、小学生が工場などで体験

 小学生が製造現場で環境取り組みを楽しみながら体験するとともに、半田工場内のビオトープで季節ごとにアクティビティを実施。すべてのプログラムの参加者を「アイシンエコマスター」として認定。大学生が現場で従業員と対話・交流でき、小学生の指導者としても活躍できるプログラムも合わせて提案。

パートナー企業/ソニーグローバルマニュファクチャリング&オペレーションズ株式会社

課題 工場が地域と共生する環境取り組みを
学生からの提案 環境体験ツアーと、社員の環境力アップ

 稲沢サイト(工場)の社員や地域住民を対象に、環境体験ツアーを実施。幸田サイトの「ソニーの森」に行き、フクロウの棲む豊かな森を楽しみながら学び・体験する。また、社員は、「ソニー環境隊」として、サイト内緑地の増設・整備・清掃を行う。社員が創出した緑地に、地域の人を呼んで、楽しいイベントや環境教育を提案。

パートナー企業/中部国際空港株式会社

課題 空港島でできる水素活用のビジョン策定を
学生からの提案 地域とともに世界初のCO2フリー空港に

 太陽光パネルの余剰電力や、地元の知多半島の資源を生かしたバイオマス発電で、CO2フリーの水素を製造し、空港内の飛行機以外の乗り物をすべて燃料電池化したCO2フリー空港を目指す。自前の電気・熱併給システムでの水素の活用も検討。水素社会を知ってもらうための水素パビリオン「スイソリオン」の空港内への設置も提案。

パートナー企業/東邦ガス株式会社

最優秀賞

課題 意識向上・行動変容につながるイベントを
学生からの提案 環境かるた「ワカルタ」で遊び、環境行動へ

 子どもから大人まで幅広い世代が楽しめる環境かるた「ワカルタ」を作り、東邦ガスの環境イベントで活用することを提案。地球規模の環境問題から身近なエコ活動までを分かりやすく描いた「ワカルタ」を通して、イベント参加者が環境問題の現状、持続可能な未来に向けた解決策などを遊びながら学べるよう工夫した。

パートナー企業/株式会社ナゴヤキャッスル

課題 環境配慮を感じられるホテルの商品・サービスを
学生からの提案 生物多様性を楽しむ周辺SANPOマップ

 ウェスティンナゴヤキャッスル周辺の自然の豊かさを知ってもらうため、若者の視点で観光としても楽しめるSANPOマップを作成。この他、地産地消の料理コンテストや毎年3月の「アースアワー」にキャンドルを再利用したイベントを提案。同社では今年のアースアワー(3/25)にあわせて、キャンドルナイトを企画中。

パートナー企業/株式会社三井住友銀行

課題 環境配慮型モノづくりを応援する企画を
学生からの提案 ジビエ販売やfree Wi-Fiで環境取り組みPR

 SMBCの顧客でフードサービス機器を製造するホシザキの環境取り組みを広めるため①環境活動のシンボルマークを考案②食品加工業者とビジネスマッチングし、野生鳥獣の食肉「ジビエ」の衛生管理・保存技術を活用して、学食などで販売B飲食店の厨房設計の一環として、free Wi-Fiを整備し、接続画面で環境活動を紹介−という3つのPR方法を提案。

パートナー企業/株式会社Mizkan Partners

課題 環境活動を小学生に伝えるプログラムを
学生からの提案 オリジナル鍋の食材から自然の恵み学ぶ

 MIZKAN MUSEUM(ミツカンミュージアム)で食育と環境学習を合わせた小学生向けプログラムの実施を提案。グループでオリジナル鍋を考え、食材がどこから来たのかを話し合い、クイズを交えて美しい自然の映像を鑑賞することで、私たちが自然の恵みに支えられていることを伝え、自分たちにできることを考えてもらう。

パートナー企業/株式会社三菱東京UFJ銀行

課題 顧客が環境配慮を実感できる新サービスを
学生からの提案 Will口座、ポイントアプリなどをセットに

 若者とともに行っている環境活動に利息を寄付する「Will口座」と、既存のペーパーレスのインターネットバンキング「Eco 通帳」の利用でポイントがたまり、Will口座の寄付先の環境活動情報も得られるポイントアプリを組み合わせ、2つのサービスの相乗効果を高める新サービス「SEA(Sustainable Eco Assist)」を提案。

パートナー企業/名鉄観光サービス株式会社

課題 「環境」をテーマとした旅行商品を
学生からの提案 日本人学生と留学生による“環交ツアー”

 「自然環境の今を知る」をテーマに、大学生、留学生、そして地域の若者が「環境」を深く考えながら「交流」する“環交ツアー”を提案。ツアー先は新城市。四季折々の自然環境の素晴らしさや歴史、文化を体験しながら自然環境保全活動や地域活性などについて、グローバルな視点で解決策を一泊二日で学んでいく新しい形の旅行プラン。

パートナー企業/ユニー株式会社

課題 若い世代向けの新たな環境配慮商品を
学生からの提案 日常から使えるエコ素材の防災リュック

 若者のアウトドアのニーズ、「環境=人の命」という概念などを踏まえ、日常から使えるエコ素材のリュックなどの防災グッズを提案。また、若者の日常にエコと防災を取り入れるきっかけとして、防災用備蓄食材をバーベキュースタイルで食べて「イザ飯」が体験できる消費者参加型のイベントを開催し、防災リュックをPR。

活動を生かして飛躍を

研究所所長・大村秀章愛知県知事のコメント

 愛知県は産業県だが、環境面でも日本一でなければならない。環境に配慮しない成長はありえないというのが先進国の常識で、環境面でもトップランナーであり続けたい。そのためには人づくりが大事で、昨年からこの活動を始めた。学生の皆さんには、約5ヵ月間、一生懸命に打ち込んでいただいた。次なる分野でのチャレンジにも、ぜひこの活動を生かしてもらって、それぞれの目標に向かって飛躍していただきたい。パートナー企業の皆さんにも心から感謝したい。

いかに生き残っていくか

研究所顧問・飯尾歩中日新聞論説委員のコメント

 去年の暮れに気候変動のパリ協定が生まれ、世界は変わった。世界を作り変えるには大きな投資が必要で、お金の流れが変わり始めている。企業にとって環境配慮は、社会貢献の時代ではなく本業の一環。だからこそ研究所の存在は大きい。いかに豊かに生き残っていくかを企業と生活者が本気で考えていかなければいけない。

中日新聞朝刊 平成29年1月27日付掲載

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