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アツモリソウ再生へ一歩 上伊那農高生 種子から無菌培養苗作製

2018年08月08日

 絶滅の危機にあるラン科の多年草アツモリソウを守ろうと、上伊那農業高校(長野県上伊那郡南箕輪村)の生徒が7日、採取した種子を使って無菌培養に取り組んだ。

 長野県から2年前に「保護回復事業」として認められた活動の一環。同校の課外活動クラブ「バイテク班」の生徒らが今月6日に美ケ原高原(同県松本市など)を訪れ、6月に人工授粉をしたアツモリソウの種子が入ったさや2つを採取した。この日は、校内の無菌室で生徒4人が種子を取り出し、培養苗の作製に取り組んだ。

 大きさ3、4センチほどのさやを半分に開き、ピンセットを使って粉状の種子をかんてんで作った培地に落とし、培養苗を作製していった。種子が細胞の塊であるプロトコームをつくるのには1年ほどかかり、開花までは7〜10年ほどの期間を要するという。

 今年は、美ケ原高原で12株のアツモリソウが開花。他花受粉で人工交配が可能になり、種子の状態が良くなっているという。課外活動クラブの班長(17)は「昨年は培養が難しかったけど、今年は種子の質がいい。期待したい」と話した。

 アツモリソウは、ニホンジカの食害や盗掘などで数が激減しており、県は保護条例に基づき2004年から、特別指定希少野生動植物に指定している。人工的に育てたアツモリソウを自生地に戻すことについては今後、専門委員会などで検討していく方針。(板倉陽佑)

中日新聞朝刊(長野) 8月8日付掲載

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