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最大47ミリ水質改善の証し 木場潟でマシジミ確認 今月初めに3個

2018年06月09日

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 かつて汚染がひどかった石川県小松市の木場潟で、環境省レッドリストで、絶滅の危険が増大している絶滅危惧II類指定の貝類「マシジミ」が、見つかった。最も大きいものは殻の長さは47ミリと全国的に例のない大きさだった。マシジミは砂地でしか生きられず、専門家は「汚い水では生きられない。ここまで大きいのは全国的に珍しいので、ここ数年、水質が良くなっているのでは」とみる。(竹内なぎ)

(写真)マシジミが発見された木場潟

 木場潟では、汚染が進んだ40年ほど前、マシジミは姿を消したとみられていた。木場潟公園協会代表理事の藤田勝男さん(77)は「水質が少しずつ良くなっている中で、うれしい発見」と声を弾ませた。

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 藤田さんが6月上旬、木場潟東側の岸付近で、カラスガイなど貝の生息調査をしていて、シジミ3個を見つけた。県立大生物資源環境学部研究員の中野光議(みつのり)さん(31)=生態学=に確認してもらうと、マシジミだった。

(写真)木場潟で発見された大きさ47ミリのマシジミ

 中野さんによると、マシジミは、きれいでないと生きられない種ではないが、水質汚染が進んだヘドロでは生きられず、砂地は必要。汚い水では別のシジミが生息するという。成長には水質、プランクトンなど栄養の豊富さ、砂底の状態などが関係する。寿命は1〜5年だが、10年生きるものもある。大きくても通常は30ミリ前後という。

 協会によると、木場潟では生活排水の流入などが原因で、1970年代から水質が悪くなり、80年に水草が絶滅したのを受け、さらに水質が悪化。90年には国の調べで、全国の湖沼で2番目に汚いとされた。

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 そのため県、市や市民団体が水質の向上に尽力。15キロ離れた農業用水用の大日川ダムからきれいな水を流し入れ、市は下水道を整備。市民も2004年に「木場潟再生プロジェクト」を結成。水草を植えるなど地道な活動を続け、汚染度を示す数値も徐々に良くなっている。

 プロジェクトのリーダー土田準(ひとし)さん(67)は「生き物が増えているのは、数値だけでなく自然環境のバランスが良くなってきた証拠」と喜ぶ。中野さんも「シジミは魚や鳥の餌で、ふんは微生物の餌になり生態系に重要な存在。多様な生物が増えるかも」と期待する。

(写真)マシジミを発見した藤田勝男さん(右)と県立大研究員の中野光議さん=いずれも石川県小松市の木場潟公園で

 藤田さんは「今後は魚や貝の調査も進める。関係機関と連携し、水質浄化もさらに頑張っていきたい」と話している。

北陸中日新聞朝刊(石川) 6月9日付掲載

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