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矢作川底に玉石 アユ育った 実験中間結果 縄張りづくり課題

2018年02月02日

 愛知県豊田市を流れる矢作川をアユが成育しやすい環境に改善するため、昨年4月に始まった中流域での実験の中間結果を、市矢作川研究所や同漁協などでつくる天然アユ生態調査実行委がまとめた。縄張りをつくるアユの習性を利用した「友釣り」での豊漁につなげる目的で、実験ではアユの成長や数の増加がある一方、縄張りをつくらないなど課題も残った。 (森本尚平)

 実行委は、川底の石にコケ植物が付着し、アユの餌となる藻類の生育を妨げていることが、不漁につながっていると推測。本年度の実験を、同市藤沢町内の矢作川中流域で昨年4〜10月に実施し、コケが付いていない直径8〜20センチの玉石を川の上流から運び、広さ225平方メートルの範囲に敷いた。玉石を置いた区域のすぐ上流側を、手を加えない対照区として、潜水による目視や捕獲調査をして、生息数や大きさを比較した。

 その結果、7月下旬以降、玉石を置いた区域だけアユが増え、対照区の5倍以上となった。友釣りの対象となる15センチを超えるアユも確認された。玉石にはコケがほとんど生えなかった。一方、アユが縄張りをつくる行動は確認されなかった。

 研究所の山本敏哉研究員(30)は「アユが好んで餌を食べる場所が分かり、一定の成果を得られた。一方で、玉石が小さく、縄張りをつくって守るほどの餌場ではなかったとアユが判断したのだろう」と分析している。

 新年度は、今回の実験よりも大きめの石や小さめの石を敷いて効果を調べる。

 友釣りは、藻類の豊富な川底の石周辺に縄張りをつくるアユの近くに、掛け針を仕込んだ「おとりアユ」を送り込み、追い払おうと体当たりしてきたアユを引っかける釣り。矢作川は、天然アユが遡上(そじょう)する川として釣り人に知られるが、観測史上最高の推定1003万匹が遡上した2016年に研究所が漁協組合員に実施したアンケートでは、「アユの大きさが小さい」「釣れない」との不満が多かった。

 釣り人は減少傾向といい、山本研究員は「川底環境を良くして、矢作川に釣り人を呼び戻したい」と話している。

中日新聞朝刊(愛知) 2月2日付掲載

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