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害鳥追い払い タカに任せて 市場や工場で鷹匠が活躍

2018年01月12日

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ハトやムクドリ 殺さず環境にもいい

 鳴き声やフンで住民らを困らせる害鳥を、調教されたタカで追い払う対策が福井県内でも成果を上げている。他の方法ではすぐに舞い戻ってきた鳥でも、食物連鎖の「頂点」に立つタカに出くわすと、危険な場所だと認識して寄りつかなくなるようだ。薬剤を使う場合に懸念される環境への悪影響がないことも利点という。

(写真)害鳥を追い払おうと、吉田さんの腕から飛び立つタカ=昨年11月7日、福井県福井市中央卸売市場で

 福井市民の台所・福井市中央卸売市場(同市大和田1)の構内。石川県小松市の鷹匠(たかじょう)、吉田剛之さん(45)が左腕を振ると、手首付近に止まっていたタカが勢いよく飛び立った。敷地上空を旋回して威嚇すると、数羽いたカラスは敷地外へ飛び去った。卸売場棟や駐車場など場所を変えて繰り返し、約14万平方メートルの市場全体を2時間ほどかけて回った。

 市場の担当者は「ここまで効果があるとは思わなかった」と驚く。水産物も扱う市場には、塩をなめて栄養補給をする習性のあるハトが長年住み着き、フンや羽根の汚れに悩まされてきた。報道でタカによる追い払いを知った担当者が吉田さんに依頼。2017年4月から月4回ほどのペースで追い払いをしている。

 これまで防鳥ネットやライト、薬剤などさまざまな方法を試したが、慣れると効果が薄れた。だが、今では偶然迷い込むハトはいるものの、市場に住み着く鳥はいなくなったという。大谷康二場長は「薬剤をまくと環境負荷が心配だが、自然の摂理に従った解決ができてよかった」と話す。

 吉田さんは13年に起業してタカによる害鳥駆除事業を始め、これまでに石川、福井両県内のほか、三重、新潟県などで実施。県内では、福井市の市場と県から委託を受けた福井市街地、勝山市の民間工場の3カ所を担当している。

 NPO法人「日本放鷹協会」(岐阜県海津市)の神内光示副理事長によると、タカによる追い払いは、日本の固有種に比べ、北米などに分布し、人に慣れやすいハリスホークの普及とともに、ここ5、6年で全国に広がっている。「害鳥を殺さず、追い払うだけというのは聞こえも良いので、企業の希望にも合ったのでは」と推測する。

 県が15年度から実施している福井市の大名町交差点周辺では、開始前の14年12月の調査では4000羽余りのムクドリがいたが、16年度以降はほとんど見られなくなったという。県自然保護センターの松村俊幸所長はタカの追い払いが効果を上げている理由を「自分の命が狙われる危険を感じ、寄り付いたら狙われると学習する」と分析する。

 ただ、スズメは樹木のアブラムシなどを食べて被害を減らす役割もあるといい、事業を担当する県福井土木事務所道路第1課の平井勝治主任は「どのような状態が良いか、明確な答えはない」とも話す。「鳥には人間と摩擦が起きない場所で生存してほしい」と吉田さん。鳥と人間の共生に向けた模索が続いている。(片岡典子)

中日新聞朝刊(福井) 1月12日付掲載

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