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絶滅危惧種のゲンゴロウ 卵から成虫 生態を解明

2017年12月27日

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石川ふれあい昆虫館学芸員が論文

 石川県ふれあい昆虫館(同県白山市)の渡部晃平学芸員(31)が、絶滅の危険性の高い希少なゲンゴロウ「コセスジゲンゴロウ」の飼育に成功し、世界で初めて卵から成虫までの生態を明らかにした。保全への活用が期待される。

(写真)コセスジゲンゴロウの写真と、論文が掲載された国際誌を手にする渡部晃平学芸員=石川県白山市の県ふれあい昆虫館で

 体長約4ミリで、上翅(じょうし)に縦の溝が5本ある。滋賀県、京都府などにまたがる琵琶湖淀川水系に分布。確認例が少なく、特に卵や幼虫は見つかっていなかった。環境省レッドデータブックの絶滅危惧IA類(ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高い)に選定されている。

 渡部学芸員は昨年11月に京都市で成虫を採集し、現地の環境に似せた水槽で飼育を始めた。同月下旬から今年3月中旬にかけて約1ミリの白い卵や約2ミリの幼虫が見つかり、雌1匹から少なくとも115個の産卵を確認した。

 ふ化した幼虫は、2回の脱皮を経て体長約6ミリに成長。上陸してさなぎになり、羽化する。観察過程で、個体により脱皮の間隔が数日から50日ほどと差が大きいことを確かめた。「他のゲンゴロウは一定期間で脱皮する種が多い。個体差の理由は不明だが、とても珍しい特徴」という。

 さなぎには細かい毛が生え、水に浮くことが判明。水位の変動が激しい浅い湿地を好み、急な増水に対応するためとみられる。渡部学芸員は「詳しい生態が分からず、保護対策もなかった種。種や生息地の保全に大きく貢献できる研究成果になった」と話している。

 研究をまとめた論文は、日本甲虫学会が25日に発行した国際誌に掲載された。

 (谷口大河)

北陸中日新聞朝刊(石川) 12月27日付掲載

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