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特定外来生物 私が止める 豊根の久野さん ダム湖畔でアレチウリ駆除

2017年07月08日

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 愛知県北設楽郡豊根村の新豊根ダム湖畔で、特定外来生物の「アレチウリ」が繁殖している。放置すれば一帯を覆い尽くし、在来の植物を絶滅させてしまう。ダムで働く久野美恵子さん(53)=同村坂宇場=は「拡大を食い止めよう」と、朝夕の通勤途中、一人で駆除作業を続けている。(鈴木泰彦)

(写真)一人で駆除作業を続ける久野さん=愛知県北設楽郡豊根村古真立の新豊根ダム湖畔で

 アレチウリは、北米原産のツル性植物。1952(昭和27)年、静岡県の清水港で初めて見つかり、全国に広がった。成長が極めて早く、密集した大きな葉で在来植物を覆い、衰弱や枯死に追い込む。

 久野さんの職場は、えん堤近くに立つ国土交通省の新豊根ダム操作室。通勤途中でアレチウリの繁茂に気付き、6月から駆除を始めた。道端に車を止め、朝夕30分ずつ、丹念に抜き取っている。

 「この植物は種で増殖する。花が咲き終わる7月いっぱいが勝負です」。崖をよじ登り、10メートル近いツルをたぐり寄せる。手が入らない落石防止ネットの内側は、針金のハンガーを改造した自作の道具で駆除する。

 隣の長野県では千曲川・犀川水系と天竜川水系を中心にアレチウリが大繁殖し、生態系を脅かしている。同県は毎年6月を「駆除強化月間」と定め、行政と住民による抜き取り作戦を展開中だ。

 環境省自然公園指導員を務める同郡設楽町田峯、加藤博俊さん(64)によると、奥三河で確認されているアレチウリは、新豊根ダム湖畔と旧鳳来町の一部だけ。「今のうちに手を打てば、蔓延(まんえん)を食い止められるのでは」と話す。

 久野さんは勤務の傍ら、ダム湖の風景や動植物を撮影し、インターネットなどで発信している。「美しい水辺を何とか守りたい。奥三河への拡大も、ここで防がなければ」。来年も、再来年も、アレチウリが姿を消すまで駆除を続けるという。

 特定外来生物 人の健康や生態系、農林水産業などに重大な影響を及ぼす外来生物。アライグマ、カミツキガメ、ブラックバス、ミズヒマワリなど約150の動植物が指定され、法律により輸入や飼育、栽培、販売が禁止されている。アレチウリは2006年2月に指定を受けた。

中日新聞朝刊(愛知) 7月8日付掲載

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