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高齢化団地に期待の足 瀬戸 10日から「住民バス」社会実験

2017年07月02日

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 愛知県瀬戸市内で特に高齢化が進んでいる菱野団地で、住民たちが協力して運行する「住民バス」の社会実験が10日から始まる。付近の商店街や名鉄バスの停留所までの交通手段として、無料で運行。12月26日まで実験する。(堀井聡子)

(写真)電動バスの中に乗り込み運転方法を教わる人たち=愛知県瀬戸市八幡台の八幡公民館で

 小さなタイヤが8つ付いた緑色の車体。側面には窓がなく、運転席を入れて10席の小型バスだ。最高速度は時速19キロ。電動で、バスの屋根の太陽光パネルと家庭用コンセントから充電して動かす。

 群馬県桐生市で実際に使われている低速電動バス「eCOM−8」を、瀬戸市が半年間約400万円の契約で借り受けた。

 運転するのは地域住民のボランティアたち。一般のバスとは違い、ATの普通自動車免許があれば運転できる。ボランティア向けの運転講習会が6月20、21日に同市八幡台の八幡公民館で開かれ、2日間で13人が参加した。

 昨年11月、菱野団地を構成する原山台、萩山台、八幡台地域の住民でつくる「菱野団地コミュニティ交通運行協議会」が発足し、話し合いを重ねてきた。

 菱野団地は1976(昭和51)年におおむね完成。2015年時点で1万3000人が住んでいるが、高齢化が深刻だ。65歳以上の割合が1995年は7.1%だったが、2015年には36.9%に増加。15年の市全体の27.1%を大きく上回っている。

 同協議会の伊藤勉会長(66)は「お年寄りはバス停まで歩くのも大変で、病院や買い物へ行くときに困っている。5年後や10年後に交通機関が撤退して、交通手段がなくなるのではと不安の声もある」と明かす。

 そこで住民バスの運行を団地内に限り、名鉄バスの停留所やタクシー乗り場を経由することで、既存の交通機関との共存をはかる。

 ルートは、主に団地を北と南に分けた2種類があり、1日各5便。日曜と祝日は運休。住民バスとワゴン車の2台で運行する。

 各ルート上にある団地の外周道路に限り、バス停がなくてもバスが近づいたときに手を挙げれば、バスを止めて乗車できる。乗車中も運転手に申し出れば降りられる。

 都市計画課によると社会実験後はバスを桐生市へ返還。18年度は結果を検証し、公共交通網形成計画を策定。19年度からの本格運行を目指す。

 伊藤会長は「初めての試みで運行するうちに課題も出ると思うが、話し合って解決していく。なんとしても成功させたい」と話した。

 2日午前9〜11時には、菱野団地中央広場で住民バスのお披露目会を開く。住民バスの試乗体験をするほか、菱野団地で活動しているNPO法人などが手作り雑貨や菓子、野菜を販売する。

 住民バスを運転する有償ボランティアも募集している。(問)都市計画課=0561(88)2666

中日新聞朝刊(愛知) 7月2日付掲載

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