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小規模駅舎を「回生」 余剰電力 EVや電動自転車に えちぜん鉄道、来年度

2017年05月19日

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 電車や電気自動車(EV)で使われる「回生電力」を鉄道の地方路線で有効活用しようという動きが出ている。駅舎の省エネを図るほか、観光用のEVなどの電源に利用しようという試みもあり、メーカー側も乗降客の少ない駅に対応した装置を開発して売り込んでいる。(小柳悠志)

(写真)回生電力を駅や電気自動車の電源に活用する予定のえちぜん鉄道=福井県永平寺町の永平寺口駅で

 曹洞宗の古寺、永平寺の参詣客が乗り降りする福井県の第三セクター、えちぜん鉄道の永平寺口駅(福井県永平寺町)では本年度から回生電力や太陽光発電を活用した交通システムを構築。2018年度にも駅そばに電動アシスト自転車やEVを設置し、観光客が使えるようにする。

 鉄道では回生電力を架線を通じて他の電車の加速に使っているが、田園に囲まれた永平寺口駅の場合、1時間に止まる列車は日中で上下線それぞれ2本程度。このようなローカル線では回生電力を使う電車がなく無駄になっていた。

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 そこで県は回生電力をEVに充電することを発案。15年度に別の駅で実験したところ、回生電力で1日3台分のEVを充電できることを確認できた。県交通まちづくり課の担当者は「北陸新幹線が福井県まで延伸されれば観光客が増える。移動手段を充実させ、地域の発展につなげたい」と期待する。

 こうした地方路線の取り組みにメーカー側も注目。三菱電機は、電力消費の少ない小規模駅舎でも回生電力を補助電源に活用できる装置を製品化。第1号を昨年、JR東日本新津駅(新潟県)に納めた。

 装置は回生電力を電車の加速に使うほか、駅にも供給してエスカレーターや照明に活用、それでも余った電力は蓄電池にためる仕組み。1日当たり平均4250人の乗車がある新津駅の場合、1日で一般家庭約60世帯の消費電力に相当する最大約600キロワット時の節電効果がある。装置は2000万円以上かかるが、節電効果で10年あまりで購入費分が回収できるという。

 三菱電機は東日本大震災後の電気代値上げと社会の省エネ要請を背景に、回生電力を使った駅舎電源を開発したが、従来の装置は消費電力の大きい大規模駅向けに200キロワットの大出力となっており、50キロワット以下の出力で十分な小中規模の駅では省エネ効果が薄かった。

 「省エネは環境への優しさと同時に、実際に経費節減につながることが大切」と交通システム部の藤田敬喜担当部長。東海地方は新津駅と似た小中規模の駅が多いといい、JR東海や私鉄に売り込みを図る。

 回生電力 車両が減速する際にモーターを発電機として作動させ、回収した電気。モーターは電気を送り込んで回転させるが、逆にモーターを回転させると電気を生む特性を利用する。電車のほか電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)、一部のエレベーターでも使われている。

中日新聞朝刊(福井) 5月19日付掲載

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