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国内有数の適地 発電所に 度会にエコな風 町長「再生エネ進める」

2017年04月25日

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 三重県度会町の中央部にある鹿ケ岳(しかがたけ)(603メートル)に、この春、風車14基が立ち並ぶ風力発電所「度会ウインドファーム」が誕生した。町の世帯数の6.5倍に相当する1万9600世帯分を発電する見込みだ。6年前の福島第一原発事故の後に関心の高まる再生可能エネルギーの可能性を、13日の現地説明会で探った。 (大島康介)

(写真)展望台から度会ウインドファームの風車を眺める人たち=岐阜県度会町の鹿ケ岳で

 長さ40メートルもある3本の白い羽根が、滑らかにクルクルと回る。晴れわたった青空を背景にすると、気持ちよさそうにも見えてくる。新しく設置された展望台に立つと、尾根の風車を一望できた。

 「山すそから吹き上がってくる風を受け止めるのに適した形の風車です」。度会ウインドファームを建設したエコ・パワー(東京都)の庄田邦彦常務が説明してくれた。

 日立製作所製の風車は支柱が高さ78メートルで、羽根を合わせると高さ118メートルになる。工事は2014年11月に始まり、2年半かけて造成や風車の据え付けを進めてきた。1基の出力は2000キロワットに上る最新設備という。

 「ここは北西から年間通じて秒速6.7メートルの風が吹く。国内でも有数の風力発電向きの場所だ」と庄田さん。14基の建設にかけた投資金は100億円と多額だが、順調に発電すれば10年間で取り戻すことができるという。

 2012年に国が導入した再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度では、20年間は売電単価が変わらないため、後半の10年分の利益を得ることができる。「できることなら20年後も再投資したい」。庄田さんは言葉に力を込めた。

 説明会と操業安全祈願祭に出席した中村順一町長も「自然を守るため、開発に反対の人がいるのは理解している」と前置きしつつ、「再生可能エネルギーの推進は時代の流れだ」と歓迎する。

 町内では、九州地方の企業が大規模な太陽光発電所を20年ごろまでに建設する計画があるといい、中村町長は「(間伐材などを燃やす)バイオマス発電を始める民間企業の誘致も目指している」と意気込みを語る。

 宮川中流の中山間地に位置する人口8400人余の度会町にとって、再生可能エネルギーは町内に設備投資を呼び込める数少ない分野と見ているようだ。「発電設備への投資があれば、償却資産税の税収が上がる。町財政の健全化にとっても効果は大きい」と期待を口にした。

 再生可能エネルギー 国の固定価格買い取り制度の対象になっているのは、太陽光や風力、地熱、水力、バイオマスによる発電。火力発電のように石油などの地下資源を消費しない上、地球温暖化の原因とされる二酸化炭素(CO2)の排出も少ない。一方で、気候に左右されるため出力が安定しないといった課題もある。

中日新聞朝刊(三重) 4月25日付掲載

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