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希少な米 守りたい 松阪のクラギ 東京で販売へ

2017年03月15日

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熊野で収穫「熊野古道米」

 育苗会社クラギ(三重県松阪市川井町)は、同県熊野市の中山間地で昨秋収穫したコシヒカリを「熊野古道米」と名付け、百貨店や米穀店など東京の業者への販売に乗り出す。農薬や化学肥料は最小限に抑え、きれいな水で育てた「水田環境米」として付加価値をつけて売ることで、中山間地の田んぼと担い手を守る。 (松村裕子)

(写真)東京の業者向けに販売に乗り出す熊野古道米=三重県松阪市川井町のクラギで

 コメは熊野市有馬町の農家湊正行さん(32)が、寒暖差が激しく米作りに良い中山間地にある同市飛鳥町大又の田んぼ50アールで栽培。有機肥料を使い、清流の大又川の水を引いて育てた。水田ではホタルやゲンゴロウなど20種類以上の昆虫が確認できた。同社の有資格者、水田環境鑑定士が水質調査や施肥管理をして水田環境米に認定された。

 昨年5月に田植えをし、10月に1800キロを収穫。食味検査の結果、「少ない方が甘みや粘りがあっておいしい」とされるタンパク質が普通より少ないことを確認した。

付加価値で中山間地元気に

 熊野市の中山間地はおいしいコメが取れるが、「大型機械が使えないため栽培に手間がかかり、放っておけば田んぼも作り手もなくなってしまう」と担当者。農業に携わる会社として危機感を持ち、「希少価値のコメをつくる農家にスポットライトを当てたい」と、1年前、提携先の農家を探した。

 有機肥料を使いすぎると食味が落ちるため調整が難しいものの、湊さんは「付加価値をつけて売ることができれば、採算性の悪い中山間地でも農業を続けられる」と希望を抱く。2年目の今年は水田環境米の栽培面積を増やす予定で、「東京で知られるコメにしたい」と張り切る。

 15日には日本最古の神社とされ世界遺産に登録された花窟(はなのいわや)神社(熊野市有馬町)で祈とうを受け、付加価値をさらにアップ。3月中にはJR熊野市駅前の市観光協会で地元向けにも売り出す。

中日新聞朝刊(三重) 3月15日付掲載

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