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ウシモツゴ増殖 関のNPO成功 絶滅危惧種が生息域拡大

2012年11月28日

KGG20121128_0178597323_15.jpg 環境省が絶滅危惧種1A類に指定する淡水魚ウシモツゴが生息する岐阜県関市で、NPOが中心となって天敵の外来種駆除に取り組み、放流した観察池から300メートル離れた池まで生息域を広げることに成功した。

(写真)環境省レッドデータブックで「絶滅危惧種1A類」に指定されるウシモツゴ

 1A類は絶滅危惧種の中でも最も絶滅の恐れが高い。日本魚類学会自然保護委員で、絶滅危惧種に詳しい岐阜大地域科学部の向井貴彦准教授(41)は「1A類が生息域を広げた事例は聞いたことがない」と話す。

 環境保全に取り組むNPO法人「ふるさと自然再生研究会」(関市)は10年前、関市黒屋の農業用ため池・中池の北側に観察用の池を造成。関市内の別の池に生息するウシモツゴ30匹を放流し、現在は数百匹にまで増殖した。

 3年前からは地元農家とともに、観察池と小川で結んだ中池の水を抜いて生息状況を調査。放流される外来種を駆除してきた。昨年の池干しでは、外来種のブラックバス千匹、ブルーギル5千匹、ヘラブナ1.8トンを回収。今月25日の池干しで初めてウシモツゴ500匹の生息を確認した。観察池から小川を伝って中池に流れ込んだとみられる。同時に回収したブルーギルは4千匹、ヘラブナは1トン、ブラックバスは数匹に減少しており、外敵を減らした効果とみられる。

KGG20121128_0178651759_15.jpg ウシモツゴは国内では、愛知、岐阜、3重3県の約10カ所の池や小川のみで生息が確認されている。研究会の三輪芳明会長(61)は「外来種の放流が減り、在来種を守ろうとする市民の意識が高まっている」と喜んでいる。

(写真)配水口近くにたまった泥を除いて魚を捕獲する地元住民ら=岐阜県関市黒屋の中池で

  【ウシモツゴ】  コイ科の日本の固有種で、成魚は5〜7センチ。濃尾平野の池や用水路に生息していたが、環境悪化で激減している。環境省レッドデータブックで絶滅危惧種1A類に指定。岐阜県希少野生生物保護条例で、県内では捕獲が禁止されている。繁殖期は4〜6月で水底の石に卵を産み付け、雄が縄張りに侵入する敵を追い払う。
 

中日新聞夕刊 11月28日付掲載

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