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鉄魚生きていた 尾鷲市 県天然記念物

2012年11月28日

PK2012112702100196_size0.jpg 尾鷲市教委と県教委は27日、同市三木里町の法念寺の池を調査し、フナと和金の自然交配で生まれるとされる県天然記念物「鉄魚」の生息を確認した。1958(昭和33)年の指定以来本格的な調査が一度も行われておらず、絶滅が心配されていた。

(写真)池の水を抜き、底を調べる関係者ら=尾鷲市の法念寺で

 鉄魚は、フナの突然変異種と考えられ、普通のフナより長い尾びれが特徴。生息地は、県内のほかは宮城、山形、秋田の一部に限定される希少種という。

 戦前には、三木里地区周辺の河川で多く生息していたが、44(昭和19)年の東南海地震による津波で絶滅したと考えられていた。56年に法念寺で生息しているのを地元の人が発見し、県が天然記念物に指定した。

 同寺が池に野鳥から守る防護ネットを張って保護していた上、近年は水が濁り、生息状況の確認が困難となっていた。

 今回の調査は同寺の依頼で、県水産研究所職員らが立ち合った。市職員と檀家(だんか)の人ら約20人が幅4メートル、長さ12メートルの池から防護ネットを外した後、ポンプで水を抜き、魚を水槽に移して調べた。

PK2012112702100197_size0.jpg 全長5〜8センチの70匹の生息が確認され、10匹ほどは尾の長い鉄魚の特徴が顕著だった。同研究所の水野知巳主幹研究員は「全体的に尾びれが長く、明らかに普通のフナではない。こんな小さな池で世代交代して長い期間を生きのびてきたことは驚き」と話した。魚類の県天然記念物は、伊賀地方で生息していたジンダイドジョウが絶滅したため唯一という。

 市教委では今後、観察しやすい防護ネットを新たに張るなどの整備を年内にも行う方針。同寺の佐藤誠晃住職は「地域の宝として大切にし、訪れた方に見てもらいたい」と話している。

 (中西康)

中日新聞朝刊(三重) 11月28日付掲載

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