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名古屋港水族館シャチ「ステラ」 赤ちゃん生まれたよ

2012年11月13日

KGG20121113_0123626850_15.jpg 名古屋港水族館(名古屋市港区)で13日午前、シャチ「ステラ」(推定26歳)が出産した。シャチの繁殖経験が豊かな鴨川シーワールド(千葉県鴨川市)から「助っ人」も駆けつけ、出産に備えていた。名古屋港水族館では初のシャチの赤ちゃん誕生に、館内全体が大きな喜びにわいた。 (蜘手美鶴)

(写真)出産間近になり、飼育員らの前で泳ぐシャチのステラ(中)と雄のビンゴ=13日午前8時30分、名古屋港水族館で

 「やった、動いてる!」。3日にあったステラのエコー検査。シャチ担当の漁野真弘(まひろ)さん(53)は思わず声を上げた。おなかは大きくなってきたが赤ちゃんの動きが確認できたのはこの時初めて。母胎で、小さなヒレが折り畳まっているのも見えた。出産が近づいているのを実感した。

 漁野さんは2010年、兵庫県の水族館から名港水族館にやってきた。和歌山県太地町出身。父の代までクジラ漁師の家庭に育ち、幼少からクジラやシャチが身近にいた。これまで450頭ほどの海獣を世話してきたがシャチは初めて。「頭がよくて、人間くさいところがたまらない」ととりこになった。

 昨年12月、鴨川シーワールドから妊娠中のステラたち家族3頭がきた。9月からはエコー検査や胴回り測定など、本格的な「妊婦健診」を始めた。今月に入り、体温の低下や食欲の減少など出産の兆候が見られ、赤ちゃん誕生が秒読みとなっっていた。

 名港水族館はこれまでシャチの繁殖経験はないため、鴨川シーワールドの協力で出産準備を進め、荒井一利館長や飼育員ら5人が駆けつけた。13日から、出産準備のためシャチの展示と公開トレーニング、隣接するプールでのイルカショーが当面休止になった。

 鴨川シーワールドの獣医師勝俣悦子さん(59)は、これまでステラの出産4回すべてに立ち会った。4頭を産んだ「ベテランママ」だが、今回は妊娠中の引っ越しがあり、出産場所も違っており、「今回も上手に産むと思うけど、心配もある」と話していた。

 鴨川シーワールドの黒田英紀・営業推進支配人(42)は「無事出産できてホッとしている。しっかり呼吸をするかや、おっぱいを飲めるかなどまだ心配は尽きないが、元気に育ってほしい」と話した。

【シャチのステラ】  アイスランド沖で捕獲され、1988年、鴨川シーワールドへやってきた。推定26歳。鴨川では、雄のビンゴ(推定30歳)との間に、いずれも雌のラビー(14歳)、ララ(11歳)、サラ(2歳11カ月で病死)、ラン(6歳)をもうけた。5頭目の妊娠に伴い、昨年12月、広いプールなど整備の整った名古屋港水族館にラン、ビンゴとともに搬送された。現在、国内では8頭を飼育中で、うち5頭はステラとビンゴの血筋。

中日新聞夕刊 11月13日付掲載

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