「愛・地球博」から広がる大きな輪

なごや環境大学のこれまでを振り返る

 なごや環境大学が2005年3月の開講から11年が経ち、2015年度には十周年事業も開催された。「愛・地球博」を機にスタートした環境に対する取り組みは、市民・市民団体、企業、教育機関、行政が連携して大きな役割を果たしてきた。今回はこれまでのなごや環境大学の活動について新聞紙面を通して振り返る。(肩書きはすべて当時のもの・カッコ内の日付は中日新聞に記事が掲載された日)

万博以降につながる活動を目指す

 「なごや環境大学」の文字が初めて新聞紙面に躍ったのは、03年1月6日付夕刊。名古屋市は「愛・地球博」に向けての取り組みで、万博を一過性のイベントに終わらせず、閉幕後の人材育成などにつなげる構想を明らかにした。

 当時の名古屋市は万博以外にも、藤前干潟の保全に向けて市民や企業の協力で果たしたごみの減量などで、環境に対する意識が高まっていた。

 その後は基本構想委員会の初会合(03年3月16日付名古屋市民版)、初代学長に名大の学長だった松原氏が内定(04年3月25日付朝刊)、市や大学、地域団体、NGOの関係者ら約二十人のメンバーで実行委員会が発足(04年4月17日付名古屋市民版)など、開講を目指しての準備が進められてきた。

開講後は多彩な講座を実施

 なごや環境大学の開講は、万博の開幕をすぐに控えた05年3月20日で、23日付名古屋市民版に記事が掲載された。

 初年度は八十九講座の規模でスタート。環境ジャーナリストの枝広淳子さん、作家のC・W・ニコルさん、国連大学副学長の安井至さんのパネルディスカッションの模様が伝えられた。

 他にも名東区猪高緑地での田んぼ体験講座(05年5月23日付名古屋市民版)や、市民講座「わが家でもできる環境保全〜雨水利用と建物緑化」(05年7月13日付名古屋市民版)などが紙面で取り上げられた。

 中でも特筆すべきなのが05年11月20日に、EXPOエコマネーセンターの再オープン時に開催された公開講座「地球温暖化の今とEXPOムーブメントから始まる市民の行動」。翌日付の愛知県内版では、気象予報士の杉山範子さんによる地球温暖化についての講演や、その後の杉山さん、飯尾歩・中日新聞論説委員らによるトークショーの様子が報道され、万博閉幕後のなごや環境大学の大きな一歩が記された。

COP10関連イベントも

 当初の計画通り、なごや環境大学の活動は06年以降も続いた。その間には名古屋のような大都市では他に例のない試みで、学び合う「共育」という考え方もユニークと評価され、2008愛知環境賞の中日新聞社賞も受賞している(08年3月10日付朝刊で紹介)。そして開講5年後に当たる10年3月10日付朝刊の「Viva地球」でも、なごや環境大学について特集した。 

 またこの年には環境に関する世界的なイベント、生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)が名古屋で開催された。なごや環境大学でもCOP10に関連して、期間中のブース出展以外に、来訪する外国人に「マイ箸」を配るプロジェクト(10年2月16日付名古屋市民版)、や、親子向けのイベント「夏の生きもの観察会」(10年8月23日付名古屋市民版)などを実施している。

2015度は十周年事業を展開

 名古屋市の市民・市民団体、企業、教育機関、行政を、環境をキーワードにつないできた「なごや環境大学」もスタートから十年の歴史を刻んできた。開学記念日ともいえる15年3月20日付の市民版では、十周年事業の実行委員が中日新聞社を訪れ記念事業を紹介した模様が掲載されている。

 記念事業は、昨年9月の環境デーなごや2015中央行事の中心的企画として高校生・大学生が交流した「わっかものビレッジ」や10月の「第32回全国都市緑化あいちフェア」に参画した環境報告会&ワークショップが行われている。その中で紙面を飾ったのは、今年の1月に市民有志でつくる「プランタン管弦楽団」や、名古屋を中心に活動するアイドルグループ「BOYS AND MEN」が出演した十周年記念コンサート(16年1月11日愛知県内版)と、同じく1月に実施された十周年を記念したシンポジウム「未来を創るチカラ ‐人とまち‐ 」(16年1月17日付市民版)。コンサートではボイメンのメンバー四人がエコ楽器によるオーケストラとの協演や「ボイメン体操」を披露して会場を盛り上げ、シンポジウムでは15年7月から学長として新たに就任した造園家の涌井史郎氏が基調講演で、受講者に「環境問題こそ草の根の力が必要。力を結集し、大学を踏み台に自然との共生に向けて考えてほしい」と呼び掛けた。

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