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木材分野での連携

 1980年代、90年代の初頭には熱帯雨林の破壊が国際的な世論の大きな関心を集めた。木材の最大の輸入国として、消費国の日本への注目も集まり、日本の商社など企業や政府は批判やデモンストレーションのターゲットにもなった。

 その後、日本は輸入先を東南アジアから北米などの先進国地域を中心に切り替えている。また前回お話をした認証を通じて、その生産と流通プロセスで環境や地域社会に対して配慮をしている木材や紙についてもエコラベルなどが認定されるようになった。ただし、当初は熱帯雨林など発展途上国を中心とした地域において広がることが期待されていた認証材だが、その多くはやはり現在でも北米や欧州などの先進国を中心とした地域となっている。

 そのような流れのなかで、持続可能な森林経営というフォーカスから、発展途上国を中心とする地域では、法律を遵守して合法な木材を使用しているかどうかという点に注目が集まるようになってきた。FLEG(「森林法の施行及びガバナンス」などと訳され、具体的には、持続可能性の前提条件として合法性に重きを置く考え方で、森林の違法伐採と関連する汚職や犯罪に対し、森林関連法規を効果的に施行していくための地域的プロセスを指す。各地域で取り組みが行われており、欧州―アフリカなど大陸間での協力も盛んで、2001年、03年には閣僚会合が開催されている。)などのキーワードで欧州とアフリカ、北米と南米といった大陸間での連携も深められてきた。

 最近では、生物多様性などの環境面での配慮と、違法な木材の混入を避けようとする、合法性を重視した調達の指針や宣言を発表する日本の住宅メーカーが相次いでいる。大手住宅メーカーのミサワホームはWWFジャパンと連携し、三段階のレベルで森林生態系に配慮した木材調達ガイドラインを策定し、調達を開始した。

 COP10支援実行委員会アドバイザー 名古屋市立大学大学院経済学研究科准教授 香坂 玲

 生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)公式ウェブサイト

シンポジウムのお知らせ

名古屋都市センター主催 「企業とNPOの連携から見る都市の生物多様性」

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日時 平成22年9月1日(水)14時〜17時(13時半開場)
場所 名古屋都市センター ホール
テーマ 木材住宅メーカー大手とWWFが連携した事業についての報告ほか
締め切り 8月27日(金)
お問い合わせ 名古屋都市センター 調査課 鈴木(TEL:052-678-2216)※月曜休館

著者プロフィール

香坂 玲(こうさか・りょう)

静岡県生まれ。東京大学農学部卒業。ハンガリーの中東欧地域環境センター勤務後、英国で修士、ドイツ・フライブルク大学の環境森林学部で博士号取得。2006年からカナダ・モントリオールの国連環境計画生物多様性条約事務局の勤務を経て、4月より現職の名古屋市立大学大学院経済学研究科の准教授(林業経済、環境政策論)。COP10支援実行委員会アドバイザー。国連大学高等研究所客員研究員を兼務し、里山の評価などに参画。

著書『いのちのつながり よく分かる生物多様性』<中日新聞社刊>発売中。

2016 愛知環境賞

第75回 中日農業賞

地球のいのち、つないでいこう

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