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今月は10月のCOP10に向けて、重要な月となる

 まず5月22日の生物多様性の日を筆頭に、5月10日には地球規模生物多様性概況第三版(GBO3)と、日本の生物多様性の概況である、生物多様性総合評価(いわゆるJBO)などが発表される。またナイロビでは、第14回目となる、科学技術助言補助機関(SBSTTA)が開催される。さらに、COP10民間参画イニシアティブなどについての記者発表も行なわれる予定である。まさに10月に向けて、さまざまな動きが活発化する時期である。

 都市関係の学術界、建設業、造園業に関わる動きとしては、国際会議の「都市における生物多様性とデザイン(URBIO2010)」が5月18日〜22日にウインクあいち(愛知県産業労働センター)において開催され、地方自治体を巻き込んだ形で議論が深められる。

 さらに、COP10では、経済や企業活動に関わる議論も予定されている。生物多様性の損失による損害や経済価値(例えば、カリブ海では珊瑚礁が過去30年で8割も減り、総観光収入の2割を占めていたダイビング観光の収入にあたる約3億ドル、270億円程度が失われた計算になる)などについて議論をする「生態系と生物多様性の経済学(TEEB)」も、民間セクター、政策関係者、地方自治体などアクターごとに章を発表してきたが、COP10までにはその全容も明らかとなる。

 今後は、各地域での活動が連携を図りながら、条約事務局が運営するグローバルなパートナーシップというフォーラム、緩やかにつながる組織体のなかで、企業と生物多様性に関わる活動も展開されていく。日本の産業界もアピールを通じて活動していくことが重要となる。

 COP10支援実行委員会アドバイザー 名古屋市立大学大学院経済学研究科准教授 香坂 玲

 生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)公式ウェブサイト


著者プロフィール

香坂 玲(こうさか・りょう)

静岡県生まれ。東京大学農学部卒業。ハンガリーの中東欧地域環境センター勤務後、英国で修士、ドイツ・フライブルク大学の環境森林学部で博士号取得。2006年からカナダ・モントリオールの国連環境計画生物多様性条約事務局の勤務を経て、4月より現職の名古屋市立大学大学院経済学研究科の准教授(林業経済、環境政策論)。COP10支援実行委員会アドバイザー。国連大学高等研究所客員研究員を兼務し、里山の評価などに参画。

著書『いのちのつながり よく分かる生物多様性』<中日新聞社刊>発売中。

2016 愛知環境賞

第75回 中日農業賞

地球のいのち、つないでいこう

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