What’s COP10?

 前回のコラムでCOP10の成果として、地元の名前の付いた議定書や目標が掲げられたという報告をした。
 名前の付いた議定書やターゲットができたので安心、これで終わり、ということではなく、これからの取り組みが重要となる。…

 先月開催された愛知県名古屋市での生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)は、外務省の発表によると179の締約国の代表と13,000人以上が参加する、史上最大の生物多様性のCOPとなった。関係者・ボランティアの皆様、本当にお疲れさまでした。…

 今月、いよいよCOP10(生物多様性条約第10回締約国会議)が開催される。「愛知・名古屋」の名前が、環境の条約の交渉の歴史で成果を残せるのかどうか、注目が集まるところだ。

 さて、生物多様性に限らず、世界の日本への期待は一般の人々が思う以上に高い。特に自然災害後の生態系の復元、資源の循環的な利用、環境エネルギーの分野など、生物多様性と関連する環境の技術力に対する期待は高い。また、人材育成や技術移転を通じても、発展途上国を中心に期待が高い。…

 COP10の開催がいよいよ一カ月に迫っている。

 その概要とスケジュールを見直しておこう。

 まず最初の一週間10月11日から17日までは、第五回目のカルタヘナ議定書に関わる会議が開催される。MOP・COP5とも呼ばれる。…

木材分野での連携

2010年8月6日

 1980年代、90年代の初頭には熱帯雨林の破壊が国際的な世論の大きな関心を集めた。木材の最大の輸入国として、消費国の日本への注目も集まり、日本の商社など企業や政府は批判やデモンストレーションのターゲットにもなった。

 その後、日本は輸入先を東南アジアから北米などの先進国地域を中心に切り替えている。…

 皆さんは、身の回りに認証や規格が沢山あることをご存じでしたか。もともとISOなどの規格は、貿易を通じてやり取りをするのに、それぞれの国で中身や機能が異なっていては大変なので、ある程度、統一されるように取り決めているものです。

 さて、私たちの身近な食材や品でも、認証材があります。例えば、海産品で、取る量や取り方に配慮した、海のエコラベルといわれる、MSCという認証があります。…

 国内では政界での動きが慌ただしいが、生物多様性をめぐる国際情勢も同じくらい激しい駆け引きが続いている。

 気候変動と比べて、国際社会での生物多様性の政策的な対応が遅れている理由の一つとして、政策と科学の対話の場がうまく機能していないからではないかという議論がある。実際にはこれまでも2005年のミレニアム生態系評価(MA)や科学者の団体による評価や議論は行なわれてきたが、国連内での恒常的な組織とはなっていない。…

 まず5月22日の生物多様性の日を筆頭に、5月10日には地球規模生物多様性概況第三版(GBO3)と、日本の生物多様性の概況である、生物多様性総合評価(いわゆるJBO)などが発表される。またナイロビでは、第14回目となる、科学技術助言補助機関(SBSTTA)が開催される。さらに、COP10民間参画イニシアティブなどについての記者発表も行なわれる予定である。まさに10月に向けて、さまざまな動きが活発化する時期である。…

 生物多様性や生態系サービスに関わるのは、グローバルな大企業や上場企業に限らない。東海地域の中堅、中小の企業にとっても生物多様性は取り組むべきテーマとなりうる。大企業と異なり、中小企業の場合は、地域で長期的に活動してきている企業も多い。なかには、地方の清掃や防災活動、小中学校への出前講座を行なうなど、東海地方には地道に地域に根ざして活動してきた企業も数多く存在する。…

 大きな国際会議には、デモや反対運動がついて回ることが多くなった。特に、安全保障・軍事、人権、経済などは感情的になりやすいテーマといえる。過去にはG8サミットや貿易のグローバリゼーションに関わる会合などで、死者を出すまでに至った。

 かつて、「ジェンダー(文化的な性別差)・階級・人種」の差別や格差の是正が社会運動の御三家といわれた。現在のデモは、南北の格差、反グローバリゼーション、あるいはフーリガンのような衝突自体を志向する集団などさまざまな要素も絡み合っている。…

 1月30日付の中日新聞(27面)で林野庁が全国初の試みとして「小規模ダムの撤去」を、群馬県みなかみ町で行なったと伝えている。

 ダムが土砂災害などの防災の機能を果たす一方で、生態系のつながりを断ってしまっていることから、防災と生態系のバランスを考えていくことの大切さを伝えている。…

 いよいよ2010年です。国際生物多様性年の幕開けと同時に、今年10月には、愛知県名古屋市で生物多様性条約の第10回締約国会議が開催されます。

 また、本年は1月1日から12月31日まで、国連が定める国際生物多様性年です。国連環境計画だけではなく、生物多様性について私たちの暮らしとどのようなつながりがあるか知ってもらおうと国連全体が取り組むキャンペーンの年です。…

 今回は動物園を通じて、生物の多様性や人間と動物の関係について考えてみましょう。 動物園というと、普段は動物を展示して、一般の家族も楽しめるレジャー施設というイメージが先行しがちですが、実はその他にも役割を担っています。

 展示と娯楽の他に、一般に動物園の役割としては、環境教育、種の保全、調査研究の活動が挙げられます。動物園のなかでは、さまざまな動物を観察できる他に、図書館の施設や、パネルを通じてその動物の生態や生息域について知ることができます。…

 私たちの生活水準を維持していくために、どれだけ地球の資源や生態系に負担をかけているのかを可視化していく手法の一つに「エコロジカル・フットプリント」という考え方があります。

 エコロジカル・フットプリントは人間1人あたりに必要とされる生産可能な土地面積で表わされます。日本は北米ほどの負荷はかけていませんが、それでも日本の生活水準を世界人口に当てはめると、地球が二つ以上必要となる計算となります。…

 海外の人々に、アイチ・ナゴヤを知ってもらおう。ジャパンは東京、京都だけではない!

 海外の方々にとって、一般的なジャパンのイメージは、大都会東京か、古都京都の二つに絞られる。

 よく聞かれる質問の一つに「毎朝、駅員が通勤客を電車に押し込んでいるが、あれは本当か」といったたぐいのものがあります。東京の高層ビル、最先端のテクノロジーと相まって、人ごみの印象が強いようです。…

  「生物多様性」という言葉よりも、COP10(コップテン)のほうの知名度のほうが高くなりつつあります。科学と内容から入るもよし、イベントから入るもよしで、幅広い方々に関心を持っていただくことが重要と思います。

 スケジュールとしては、2010年10月11日から15日は、“遺伝子組換え生物(LMO)の国境を越える移動”について話し合いが行なわれる予定です(カルタヘナ議定書)。条約のなかでも議定書という法的な拘束力が強い形の内容で、締約国のうち150カ国程度が参加しています。10月18日からの約2週間は、条約全般に渡っての議論が幕開けします。2009年8月にイラクが加わることが表明され、現在のところ192の国と地域が参加予定です。主要国では米国を除いてほとんどの国が参加しますので、名古屋に沢山の国々の人々が集うわけです。…

 前回のコラムで紹介したように、国際自然保護連合という国際的な非政府組織やドイツ銀行のエコノミストが中心となり、「生態系と生物多様性の経済学」(TEEB)として、その恵みやサービスを、金額やGDP比の数値でとらえようというプロジェクトが進行中だ。この評価のもう一つの重要な点は、生物多様性の損失が世界経済からみれば微々たる数値であっても、多数の人間が影響を受けることがあると指摘していることだ。…

 企業にとって生物多様性はどのような関わりがあるのだろうか。まず、原材料の調達や供給が思い浮かぶ。食料品であればコーヒーや野菜、建築業であれば木材などを自然から得ている。味噌、お酒、薬品などは、材料だけでなく、発酵など加工するプロセスで微生物を利用している。さらに原材料を得るという話に留まらず、その他にも製品やサービスのデザインでヒントを得ている。製造に使う水の浄化、廃棄物の分解や循環を担っているのも、土壌に生きている微生物たちだ。また、人間社会にとって急激な気候変動、集中豪雨、害虫の大量発生などのショックを和らげてくれるのも、さまざまな環境における多様な生物の存在がある。…

 生物多様性の日、桜桃忌、海の日。これらの日がいつか、読者の方はお分かりになるだろうか。答えはそれぞれ、5月22日、6月19日、7月20日(正確には7月の第三月曜日)。

  恐らく言い当てるのに一番難易度の高かったのが生物多様性の日。去る5月22日は、生物多様性の日であった。条約が採択される前の1992年5月22日に、ケニアのナイロビで生物多様性条約を成立させるために開かれた交渉会議において、条約本文が満場一致で採択され、国連が「国際生物多様性の日」として定めている。…

 原油価格の乱高下や経済危機など、企業を取り巻く情勢は厳しさを増しているが、ここで歴史的な教訓を振り返りつつ、生物多様性との関連を考えてみよう。

 まず、70年代のオイルショック時という厳しい局面で、エネルギー消費、生産工程が大きく見直された。そして現在、企業の徹底した省エネルギーがもたらした日本(と西ドイツ)の復活プロセスは、「エコロジカル・モダナイゼーション」として、未だに欧米諸国から高い評価を受けている。…

 2010年の10月に愛知県名古屋市で第10 回目にあたる生物多様性条約の締約国会議(COP)が開催されることが決定しています。「生物多様性」という言葉自体は、まだまだ馴染みがないのが現実です。分かりづらくて、固い響き。でも、実は非常に身近な存在です。私たちの衣食住や遊び、学びなどの場面で常に接しているものだからです。例えば、バードウォッチング、スキューバダイビング、秋の紅葉狩りなどの趣味の多くは多様性そのものを嗜む活動です。…

著者プロフィール

香坂 玲(こうさか・りょう)

静岡県生まれ。東京大学農学部卒業。ハンガリーの中東欧地域環境センター勤務後、英国で修士、ドイツ・フライブルク大学の環境森林学部で博士号取得。2006年からカナダ・モントリオールの国連環境計画生物多様性条約事務局の勤務を経て、4月より現職の名古屋市立大学大学院経済学研究科の准教授(林業経済、環境政策論)。COP10支援実行委員会アドバイザー。国連大学高等研究所客員研究員を兼務し、里山の評価などに参画。

著書『いのちのつながり よく分かる生物多様性』<中日新聞社刊>発売中。

2016 愛知環境賞

第75回 中日農業賞

地球のいのち、つないでいこう

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